サイエンス

マンジャロやオゼンピックなどダイエットに使われるGLP-1受容体作動薬は「ハゲ」のリスクを高める可能性


近年はオゼンピックマンジャロといったGLP-1受容体作動薬が、2型糖尿病の治療だけでなくダイエットにも広く用いられています。ところが、そんなGLP-1受容体作動薬が脱毛症、つまり薄毛やハゲのリスクを高めるという研究結果が報告されました。

Risk of hair loss associated with glucagon-like peptide-1 receptor agonists in adults with type 2 diabetes: target trial emulation | The BMJ
https://www.bmj.com/content/394/bmj-2026-100077

Study Finds a Worrying New Side Effect of GLP-1 Drugs That No One's Talking About : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/common-weight-loss-drugs-have-been-linked-to-a-higher-risk-of-hair-loss

オゼンピックやマンジャロなどのGLP-1受容体作動薬はダイエット薬としても広く使われていますが、依然としてこれらの薬剤の副作用や潜在的な悪影響については疑問が残っています。GLP-1受容体作動薬の副作用として浮上しているもののひとつに脱毛症、つまり毛髪の減少が挙げられていますが、これまでのところ両者の関連性を示す確たる証拠はありませんでした。


そこでアメリカ・ペンシルベニア大学の研究チームは、2型糖尿病と診断されてGLP-1受容体作動薬を服用し始めた患者1万2004人と、同じく2型糖尿病と診断されたもののSGLT2阻害薬を服用し始めた患者1万5221人を比較。さらに、2型糖尿病と診断されてGLP-1受容体作動薬を服用し始めた患者1万1964人と、2型糖尿病と診断されてDPP-4阻害薬を服用し始めた患者1万1238人についても比較して、GLP-1受容体作動薬が毛髪減少を引き起こすのかどうかを調べました。

年生・性別・民族・既往症といった脱毛リスクに影響を与える変数を考慮して統計分析を行ったところ、GLP-1受容体作動薬と脱毛症との間には顕著な関連性が確認されました。GLP-1受容体作動薬による脱毛症リスクの上昇は、SGLT2阻害薬と比較して37%、DDP-4阻害薬と比較して68%も高かったと報告されています。具体的には、1000人あたりの脱毛症発症率はGLP-1受容体作動薬を服用する患者で約7人なのに対し、SGLT2阻害薬では約5人、DDP-4阻害薬では約4人という計算になります。

以下のグラフは、縦軸が脱毛症の累積発症率、横軸が服用からの年数を表しています。GLP-1受容体作動薬(青色)とSGLT2阻害薬(黄色)を比較すると、年を経るに従ってGLP-1受容体作動薬の方が脱毛症発症率が高まることがわかります。


以下は同じく縦軸が脱毛症の累積発症率、横軸が服用からの年数を表したもの。GLP-1受容体作動薬(青色)とDDP-4阻害薬(赤色)を比較すると、やはりGLP-1受容体作動薬を服用した患者で、脱毛症の発症率が高いことがわかります。


GLP-1受容体作動薬が脱毛症リスクを高める理由を理解するにはさらなる研究が必要ですが、以前から急激な体重減少は毛髪の減少と関連付けられているため、GLP-1受容体作動薬による体重減少が関係している可能性があります。

脱毛症は決して無視できる問題ではありませんが、GLP-1受容体作動薬がもたらす体重減少や2型糖尿病の改善は多くの人にとって価値があります。研究チームは、「絶対的なリスクは低いものの、この潜在的な影響を認識しておくことは、治療方針の決定に役立つ可能性があります」と述べました。

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in サイエンス, Posted by log1h_ik

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