「失敗することへの恐怖」に打ち勝つための5つのポイントとは?
誰しも失敗して苦い思いを味わった経験はあるはず。「ミスして怒られたらどうしよう」「仕事をクビになるかもしれない」と思うと、なかなか新しいことを始めたり思い切った決断を下したりできません。そんな「失敗することへの恐怖」を克服する方法を、臨床心理士のジェイド・ウー氏が5つのポイントにまとめました。
How to Overcome Fear of Failure
https://www.quickanddirtytips.com/health-fitness/mental-health/self-care/how-to-overcome-fear-of-failure
◆1:失敗とは何かを具体的に考える
ウー氏は、失敗への恐怖をホラー映画に例えて、「映画で一番怖いのは、ドアの向こうの暗闇にどんな恐ろしいものが潜んでいるかと想像する時で、いざ怪物が登場してしまうと神秘性が失われ、もう怖くなくなってしまいます。なぜなら、恐怖は漠然としていればいるほど恐ろしいからです。失敗への恐怖も同様に、『何か悪いことが起こるかもしれない』『何か問題が発生したらどうしよう』と考えると、途端に空恐ろしいものになってしまいます」と述べています。
こうした漠然とした恐怖に対抗するためには、「クラスでの発表会中に頭が真っ白になり、評価がFになってしまう」「自分の会社がつぶれて破産宣告をすることになる」という具合に、失敗とは具体的にどういう結果なのかを考えるといいとのこと。そうすると、自分が恐れていたことが実はそれほど破滅的ではないことや、そう頻繁に起こるものではないことに気づけると、ウー氏は述べています。
◆2:「もしもの時」を本気で考える
「もしテストに落ちたらどうなるんだろう」「もし事業が失敗したらどうしよう」といった恐怖に駆られる場合は、その「もし」が実際に起きた時のことを真剣に考えて、計画を立ててみるといいとのこと。
例えば、会社のビジネスが失敗してしまった場合は、従業員にできるだけ早く告知し、財務状況をまとめて金融機関に相談し、売却できるものは売却することになります。また同時に、事業再建を助ける制度を頼ったり、緊急時用の財源を切り崩すということも考えられます。ウー氏は、「『もし』の問いに本気で取り組んでみると、おのずと失敗に備えた計画ができあがるので、途端に怖くなくなります」と話しました。
◆3:成功をイメージするのをやめる
「成功した自分をイメージするのが理想をかなえる近道」というようなアドバイスを見聞きしたことがある人は多いはず。しかし、就職もしくは試験を控えた学生や、人工股関節置換術に挑む患者などを対象とした2002年の論文によると、成功した時のことをイメージした人はそれが実現する可能性が低いという結果になったとのこと。
この結果について、ウー氏は「イメージされた成功は、目標が理想化された想像図です。このような理想的なイメージを持つと、人はしばしば物事を深く掘り下げて考えたり、全身全霊で取り組んだりするのをおろそかにしてしまいます。絵空事のような夢を見ると、それを実現させるための努力が手につかなくなってしまうわけです」と説明しています。
◆4:経験することを目標にする
何か大きな課題に取り組もうとしている人は、自分に発破をかけてやる気を出そうとしがちですが、高い目標を掲げるとそれが達成できなくなった時にやる気が失われてしまいます。そこで、最終的な結果ではなく過程そのものを目標にすると効果的とのこと。例えば、「10万人にダウンロードしてもらえるアプリを開発する」ではなく「新しいアプリを作ってできるだけ多くの経験を積む」という目標を立てたり、「来年までに長年夢だった仕事に就く」ではなく「月に3回、目標にしてきた仕事に関連したイベントに参加する」ということを目指したりするのがこれにあたります。
「単なる終着点ではなく、学びや探求といった『経験』を目標にすればそれが達成できなくなることはないし、価値のある知識も得られます。そうなれば、どんな結果に終わろうともそれは失敗ではありません」とウー氏は述べました。
◆5:失敗は終わりではなく一時停止だと考える
失敗して挫折し、取り返しがつかないように感じたり、自分で自分に失敗者とのレッテルを貼ってしまうと、目標を追いかけるためのモチベーションを維持することができなくなります。
こうした考えにとらわれないようにする方法について、ウー氏は「失敗は一時的なもので、よくあることでもあります。決していい気分ではありませんが、失敗したことがあるのは自分だけではないこと思い出し、何かを学んだり経験したりできたと考えるようにすれば、より強く賢くなれる機会となります。言い換えれば、失敗とはレースの終わりではなく、F1のマシンが燃料補給やタイヤの交換をするためのピットストップのようなものに過ぎないのです」と結論づけました。
・関連記事
「後悔への恐怖」を乗り越えて人生の新しい一歩を踏み出す方法とは? - GIGAZINE
恐怖に打ち勝つために自問すべき6つの質問 - GIGAZINE
10人の成功者が語る「失敗とはどのようなものか」 - GIGAZINE
「ナルシストは過去の失敗から学ばない」という傾向が研究によって判明 - GIGAZINE
「物事を先延ばしにする習慣」を克服するための10の方法 - GIGAZINE
・関連コンテンツ