Apple Watchの開発に携わった技術担当ヴァイスプレジデントがAppleの自動運転車プロジェクトに加わる
現Appleの技術担当ヴァイスプレジデントであり、元Adobeの最高技術責任者(CTO)でもあるケビン・リンチ氏は、Apple Watchおよび健康関連アプリケーションの開発を主導してきた人物です。そんなリンチ氏が、Appleが進める自動運転車開発プロジェクトである「プロジェクト・タイタン」に加わることになったと報じられています。
Report: Apple Watch and Health exec Kevin Lynch joining the Apple Car team - 9to5Mac
https://9to5mac.com/2021/07/16/apple-car-kevin-lynch-report/
Appleで技術担当ヴァイスプレジデントを務めるリンチ氏は、2013年3月にAdobeからAppleへやってきて、Apple Watchの開発に携わり、初代Apple Watchが発表されたイベントでは機能やアプリの詳細を解説した人物でもあります。
リンチ氏はApple Watchを通じてヘルスケアアプリの開発にも取り組んでおり、2021年には海外メディア・TechCrunchによるインタビューの中で、iPhoneやApple WatchだけでなくAirPodsでもユーザーデータを収集し、健康管理アプリに利用していく可能性を模索していると明かしていました。
AppleはiPhone・Apple Watchに加えAirPodsでも健康管理を行っていく可能性を示す - GIGAZINE
そんなリンチ氏が、新しくAppleのプロジェクト・タイタンに参画することになったと報じられています。報道によると、リンチ氏の役職である「技術担当ヴァイスプレジデント」が変わることはないそうです。ただし、リンチ氏がこれまで取り組んできたApple Watchおよび健康関連アプリの開発の知識が、自動運転車の開発にどのように影響するかは記事作成時点では明らかになっていません。
今回の移動により、リンチ氏はジェフ・ウィリアムズCOOが率いる「Appleにおけるヘルスケア関連の意思決定を下すチーム」から身を引くこととなります。なお、このチームにはケアデリバリーおよび規制担当のスンブル・デサイ博士や、アルゴリズム担当のマイラ・ハガティ氏、Apple Watchのハードウェア担当であるユージン・キム氏といった、Appleのヘルスケア戦略における重要な役割を担う人々が所属しているそうです。
リンチ氏の後任となるのは、ヘルスケア関連アプリのエンジニアリングディレクターを務めるエバン・ドール氏です。ドール氏は引き続き開発の進捗などをリンチ氏に報告することとなるそうですが、リンチ氏はヘルスケア関連の意思決定を下すチームからは抜けることとなるため、「同社のヘルスケア戦略に直接関与することはなくなるはず」と情報提供者は語っています。
なお、リンチ氏が参加することとなるプロジェクト・タイタンは、Appleの機械学習および人工知能関連ヴァイスプレジデントであるジョン・ジャナンドレア氏が率いています。
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