データセンターへのロボット技術導入は複雑でそう急激には進まないとの見方
ロボットや人工知能(AI)の進化により、これまでは人間が行ってきた仕事を代替する事例がどんどん増えていきますが、データセンターにおいてはそれほど急激な入れ替わりは起きないと、データセンター業界のニュースサイト・DCDが指摘しています。
The slow rise of robots in the data center - DCD
https://www.datacenterdynamics.com/en/analysis/caves-of-steel/
ロボットの導入事例としては、ドイツのインターネットエクスチェンジ(IX)会社であるDE-CIXで用いられている「Patchy McPatchbot」「Sir Patchalot」「Margaret Patcher」が挙げられます。いずれも、ポートのプロビジョニングやアップグレードをわずか数分で行うパッチロボットです。
Tadaaa...we proudly present: Margaret Patcher und Sir Patchalot - the latest additions to our patch robot family!#NameTheRobots #DECIXTech pic.twitter.com/VFF9bYDf6I
— DE-CIX (@DECIX) June 6, 2019
以下は「Patchy McPatchbot」の動作ムービーです。
Meet our new colleague Patchy McPatchbot - YouTube
このほか、Alibabaのデータセンターでは、故障したHDDを人の手を借りることなく交換できるロボットが導入されているとのこと。このロボットは自動検査、不良ディスクの発見、ディスク交換、および補充を含む交換プロセス全体をスムーズに処理可能で、ディスク交換だけなら4分で終えられるそうです。
Facebookも、データセンターでインフラ運用の自動化・拡張のためのロボティクスソリューションを設計していることが明らかになっていて、Googleもデータセンターへの高度なロボットシステムの配備を考えているとのこと。
しかし、GoogleやFacebookのような大企業がやや出遅れているのは、ロボットの導入にはさまざまな障壁があるためです。
Googleのデータセンター担当バイスプレジデントのジョー・カヴァ氏は「ハイパースケールデータセンターは倉庫のようなもので、ほとんどのプロセスで、ロボットは特定の場所に移動してタスクを実行する必要があります」「しかし、ロボット工学が進歩したとはいえ、データセンターでのテストの多くは、大規模なロボットを導入している他業界よりもはるかに複雑です」と語っています。
問題の1つは、ノイズとランダム化を用いて、シミュレーションと現実とのギャップを埋めようとはしているものの、埋まりきらない差があるという点だとのこと。
ただ、将来的には、データセンターの設計を根本的に見直して、ロボット利用を前提としたものに変更し、人間のことを考慮しなくなるということが考えられます。これ自体は、人間が関与したときに事故になったり、サーバーを損傷したりしないように、慎重に展開していく必要があります。
アナリストのビル・クレイマン氏は「未来は本当にエキサイティングです。不安や不確実性の一部を捨て去り、自律的でインテリジェントなシステムを採用することで、近い将来に直面する可能性のある多くの課題を解決できることを知っておいてください」と述べています。
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