美少女たちとの学園生活がセーブデータごと崩壊していく狂気のビジュアルノベル「ドキドキ文芸部プラス!」レビュー
2017年に海外でリリースされるや否や、甘酸っぱい恋愛物語を期待していたプレイヤーの意表を突く展開により国内外で話題になったビジュアルノベル「Doki Doki Literature Club!」に、新要素や新CGを追加して日本語に正式対応した「ドキドキ文芸部プラス!」が2021年7月1日からSteamに登場しています。平凡な男子高校生になって、美少女だらけの文芸部に入部するところから始まる美少女ゲームが、第四の壁を突き抜けてプレイヤー自身に迫るサイコホラーへと変貌していくという怪作が気になったので、実際にプレイしてみました。
Doki Doki Literature Club Plus!
https://store.steampowered.com/app/1388880/Doki_Doki_Literature_Club_Plus/
ゲームを始めると「このゲームにはお子様向けではない内容、および刺激の強い表現が含まれています。不安症や鬱病に苦しんでいる方はこのゲームをプレイするべきではないかもしれません」との不穏な案内が表示されます。
どんな内容なのかあらかじめ確認することができますが、ネタバレを含んでいるとのことなので今回は「いいえ」を選択しました。なお、操作はマウスで行えるほか、キーボードの矢印キーとエンターキーでも可能です。
刺激が強い内容が含まれていることなどへの同意を求められるので、「同意します」を選択。
すると、ゲームが始まるので「ニューゲーム」を選択してから……
主人公の名前を決めて「OK」をクリックします。
ゲーム本編は、男子高校生の主人公が近所に住む幼なじみの「サヨリ」と登校する場面からスタート。画面のクリックかキーボードのエンターキー、もしくはスペースキーでセリフ送りができます。
サヨリは、主人公が部活にも入らず漫然と学生生活を送っていることを気にかけてくれています。
そこで、文芸部の副部長を務めているサヨリの強い勧めで、文芸部を見学することに。文芸部の部員は、普段は強気に振る舞いながらも実はかわいいもの好きなナツキ(中央)、
物静かな文学少女のユリ(右)、
文芸部の部長でクラスでも一番人気のモニカ(右)と、個性豊かな面々です。
吹き出しの下部にある「ヒストリー」をクリックすると……
読み逃してしまったセリフをさかのぼって読むことが可能です。
また、「セーブゲーム」でゲームの進行を保存し、「ロードゲーム」で再開することもできます。
「オプション」はこんな感じ。セリフを表示する速さや、オートにしたときのセリフ送りの速度、音量、スキップの可否、言語、画質の設定などがこの画面で変更できます。
また、「警告画面の有効化」をオンにしておくとショッキングなシーンの前に警告が表示されるようになるので、「ネタバレは嫌なので内容は確認はしなかったけど、突然驚かされるのも困る」という場合に便利です。
「オート」にすると、オプションで設定した速さで自動的にセリフ送りができるので、基本的にはハンズフリーでゲームを進められます。
ゲームをロードしてやり直すなどして既読のシーンになった時は、「スキップ」をクリックするかCtrlキーで早送りすることも可能です。
主人公は4人の美少女の歓迎を受け、なし崩し的に文芸部に入部することに。
「ドキドキ文芸部プラス!」の特徴の1つは、文芸部との設定を生かした「詩」の要素です。
プレイヤーは、画面に表示される言葉を選択して、文芸部で発表するための詩を作っていきます。部員にはそれぞれ好きな言葉の傾向があり、例えば「希望」を選ぶと、いつも元気で明るいサヨリが喜んだりします。選択した言葉を使って詩が自動生成されるわけではないので、作詩は純粋に特定のヒロインとの親密度を上げていくためのシステムです。
気になる部員の心に響く詩を作って親密になっていくというのが、このゲームの主人公の目標です。
ゲームを進めていくと、イベントCGが見られるほか……
部員が作った詩も読ませてもらえます。
アンロックしたCGや詩は、後でじっくり閲覧できます。閲覧するには、「DDLCを終了」をクリック。
すると、昔のPCのような画面が表示され……
「METAVERSE」という仮想のシステムが表示されます。メニューから「画像」を選択すると……
これまでアンロックしたCGや詩を閲覧できます。「ドキドキ文芸部プラス!」には、新規CGや未公開のコンセプトアートなど合計で100点以上の画像が収録されているとのこと。
また、作中で流れた音楽を再生することも可能。全26曲の収録曲のうち、13曲が前作から新しく追加された音楽です。
「DDLC」を選択するとゲームが再開します。
詩を発表し合ったり、学園祭に向けて準備したりしながら過ごしていく主人公と4人の部員ですが……
あるとき、サヨリの体調が悪化してしまい、同時に「鬱、自己嫌悪」に関するコンテンツの警告が表示されました。
サヨリに体調悪化の原因をただすと、なんとサヨリは長年にわたり重度の鬱病を患っていたことが発覚。
サヨリの詩も急激に異常なものへと変化していき……
心配してサヨリの家に駆けつけた主人公は、衝撃の光景を目の当たりにします。
急転直下で主人公が絶望のどん底に突き落とされたところでゲームが終了。
強制的にタイトル画面に戻されますが、そこに映っていたはずのサヨリの姿が崩れていて……
セーブしていたデータもすべて破損してしまいました。
ゲームは冒頭から再スタートしますが、サヨリが登場するはずのシーンでエラーが発生し……
ストーリーも改編され、主人公はずっと1人で登校していたことになってしまいました。
そんな中、不気味なノイズとともに主人公の前に現れたモニカ。
3人だけになった文芸部に誘われた主人公が、崩壊の始まった2週目の世界に突入……という具合に「ドキドキ文芸部プラス!」のストーリーが進行していきます。
「ドキドキ文芸部プラス!」は、2017年にリリースされた「Doki Doki Literature Club!」のリマスター版で、基本的な内容は前作と同じですが、新規CGや新BGM、6つのサイドストーリーなど、前作にはなかったコンテンツも多数収録されています。また、前作は有志が作成した日本語化パッチがなければ日本語でプレイできませんが、今作はデフォルトで日本語に対応しているのもポイントです。
許容の範囲内ではあるものの、漢字の一部が中国語のフォントだったり、若干不自然な翻訳や誤植があったりするので、今後のアップデートに期待したいところ。なお、後述するSwitch版やPlayStation 4版などでは、翻訳がインディーゲームパブリッシャー「PLAYISM」が監修したものにアップデートされているとのことです。
ドキドキ文芸部プラス!は2021年7月1日からSteam版が税込1520円(7月8日までは10%引きの税込1368円)で配信開始されているほか、Switch版・PlayStation 4版・PlayStation 5版も10月7日に発売される予定で、価格はパッケージ版が税込4200円(希望小売価格)、ダウンロード版が税込1980円です。なお、CEROレーティングは15歳以上対象の「C」です。
ドキドキ文芸部プラス! | Game(インディーゲーム) | PLAYISM(プレーイズム)公式サイト
https://playism.com/game/doki-doki-literature-club-plus/
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