メモ

EU司法裁が「オンラインサービスは原則として著作権侵害を行うユーザーに対する責任を負わない」と判断


さまざまな動画が投稿されるYouTubeなどのオンラインサービスには、著作権を侵害するコンテンツがアップロードされることがしばしば。各サービスには厳しい対策が求められていますが、この著作権の問題に対して欧州連合の最高裁判所に当たる欧州司法裁判所が「EU法の下では、適切な措置を講じていない場合を除き、オンラインサービスは著作権を侵害するユーザーに対する責任を負わない」と決定づけました。

CURIA - Documents
https://curia.europa.eu/juris/document/document.jsf?text=&docid=243241

As currently stands, operators of online platforms do not, in principle, themselves make a communication to the public of copyright-protected content illegally posted online by users of those platforms - cp210108en.pdf
(PDFファイル)https://curia.europa.eu/jcms/upload/docs/application/pdf/2021-06/cp210108en.pdf

YouTube wins user copyright fight in top EU court ruling | Reuters
https://www.reuters.com/technology/eu-top-court-says-youtube-not-liable-user-copyright-breaches-2021-06-22/

ドイツの裁判所がYouTubeとファイル共有サイトのUploadedに投稿されたコンテンツをめぐる著作権侵害の訴訟について欧州司法裁判所に助言を求めたところ、欧州司法裁判所は「オンラインサービスが適切な措置を講じる限り、オンラインサービスは著作権を侵害するユーザーに対して責任を負わない」との判断を下しました。

欧州司法裁判所は「オンラインサービスはプラットフォームを用意することで、一般の人々が著作権を侵害するコンテンツへアクセスすることに寄与していることは間違いない。しかし、現在のところ、オンラインサービスの運営者が違法にアップロードされたコンテンツを認識した上で公開することはない」と指摘。

しかし、「オンラインサービスがプラットフォームを用意する以上のことを行って著作権侵害に寄与する場合」「オンラインサービスが著作権を侵害するコンテンツがアップロードされていることを知りながら、適切な技術的対策を講じていない場合」などは、オンラインサービスが法的責任を問われる可能性があるとも述べました。


欧州司法裁判所の判断を受け、ドイツの案件で被告となっていたYouTubeは広報担当者を通じ「YouTubeは著作権においてリーダー的立場にあり、権利保有者に相応の利益が支払われることを支援している」と述べました。

弁護士のニルス・ラウアー氏は「欧州司法裁判所はオンラインサービスの責任に関する議論に有益な決断をもたらした。今回の問題で重要なのは、オンラインサービスが責任を問われない受動的な役割にあるのか、責任を問われる能動的な役割にあるのかという点で、2つの境は曖昧だ」と指摘しました。

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in Posted by log1p_kr

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