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「Facebookはこんなに個人情報を収集しています」という広告を打とうとした企業がFacebookにBANされる


プライバシー特化型メッセンジャーアプリ「Signal」が、Facebook傘下のInstagramに「Facebookはこんなに個人情報を収集しています」とおちょくる広告を打つというプロジェクトがFacebookに拒まれたと明かしました。

Signal >> Blog >> The Instagram ads Facebook won't show you
https://signal.org/blog/the-instagram-ads-you-will-never-see/

Signal banned for booking obviously targeted ads? That story's too good to be true, Facebook claims • The Register
https://www.theregister.com/2021/05/05/signal_facebook_instagram_ads_war/

Signal messenger takes aim at Instagram’s ‘hazy’ user data policies with SUPER-SPECIFIC ad campaign, gets its ad account blocked — RT World News
https://www.rt.com/news/522950-signal-instagram-ad-campaign/

Signal’s smartass ad exposes Facebook’s creepy data collection
https://thenextweb.com/news/signals-instagram-ad-exposes-facebook-targetted-ads-data-collection

インターネット広告では、ユーザーの趣味や関心に合致させる形で広告を表示させる「行動ターゲティング」という方法が一般的に用いられます。行動ターゲティングは購買につながりやすく非常にパフォーマンスが高いことで知られていますが、いち企業がユーザーの好みや住所などを的確に把握してしまえるという点についてプライバシーの観点から根強い批判が存在します。このためAppleは、今後、サードパーティ企業による追跡をユーザーの許可制にするという方針を発表しています。

この行動ターゲティング広告について、長年にわたって急先鋒とされてきたのが世界最大の広告企業の1つであるFacebookです。iOSユーザーの行動を広範に追跡するには「IDFA」という広告識別子が必要ですが、Appleは新ポリシーでIDFAの収集をユーザーの許可制にする予定。このプライバシーポリシー改定でFacebookの広告事業は大きな打撃を受けると考えられるため、Facebookは新聞に全面広告を打ってまで猛反発を繰り広げています。

「Appleがインターネットを悪い方に変える」とFacebookが新聞に全面広告を出す - GIGAZINE


このように既存の行動ターゲティングに固執するFacebookを、おちょくろうとしたのがプライバシー特化型メッセンジャーアプリのSignal。行動ターゲティングが非難を受けている主な理由は「プライバシーの問題」ですが、全通信内容をエンドツーエンドで暗号化するなどの手法で「プライバシー第一主義」を掲げるSignalは、Facebook傘下のInstagramの広告を使ってFacebookの姿勢を揶揄しようとしました。

SignalがInstagramに打ち出そうとした広告が以下。「この広告を見ているアナタは、新婚のピラティスインストラクターで重度のアニメオタクですね。この広告はアナタがカリフォルニア州サンディエゴ市北部のラホヤに住んでいるという位置情報を使用しています。アナタは育児ブログをよくお読みで、同性カップルの養子縁組に興味をお持ちですね」という、「広告を見たユーザーの個人情報に応じて内容が変わる」という広告です。

We wanted to use Instagram ads to highlight how ad tech invades your privacy. Instead, Facebook shut our account down: https://t.co/RCtGrIp60y pic.twitter.com/NMjz868KTe

— Signal (@signalapp)


Signalによると、広告枠を購入して問題の広告を打ち出そうとしたものの、Facebookが広告用アカウントを無効化してきたとのこと。


一方、Facebookは報道機関各社に対し、「今回の一件はSignalのねつ造であり、Signalは実際には広告枠を購入しようとすらしなかった」とSignalの主張を完全否定。報道時点では、両者の主張は平行線をたどっています。

なお、「Facebookはどのようなユーザーデータを収集しているのか?」については、以下の記事で詳細に解説しています。

Facebookアプリを使う時に収集&追跡されるユーザーデータが明示される、内容はこんな感じ - GIGAZINE

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in ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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