オーストラリア産「カンガルーステーキ」実食レビュー、肉屋で見かけた野性感あふれる肉は一体どんな味がするのか?
だいたいの人は肉が大好きなわけですが、普段の生活の中で食べる肉は牛・豚・鶏ばかりで、たまーに馬肉か鴨肉、鯨肉を食べる程度。そんな中、「カンガルーステーキ」「ワニタン」というワイルド過ぎる肉を発見したので、実際に食べてみました。
全ての始まりとなったのは、フラッと足を運んだショッピングモール。その中に入っていた、とても繁盛しているお肉屋さんを回っていたとき、ふと大きな冷凍ケースに目がとまりました。
そこで出会ったのが、普通のお肉屋さんでは見たことすらない「カンガルーステーキ」と……
「ワニタン」でした。
というわけで衝動的に購入してしまったので、このワイルド肉2種を実食してみます。
まずは冷凍庫から冷蔵庫に移して、ゆっくりと解凍。
続いて常温に戻します。
当初はカンガルー肉とワニ肉を食べ比べてみようと思っていたのですが、試しに調理してみたところ、味だけに限らず肉質にも食感にも共通する部分が一切なかったため、完全に別個に食べることにしました。まずはカンガルー肉を実食します。
というわけで、今回のメイン食材の「カンガルーステーキ」を見ていきます。真空パックに記載された正式名称は「KANGAROO LONG FILLET(カンガルー・ロング・フィレ)」で、どうやらフィレ肉の様子。オーストラリアから冷凍で出荷されたもので、価格はグラムあたり320円。
開封。形状的には鶏のささみという感じですが、思わずウッと顔をしかめたくなるような血なまぐささ。今回は138gの肉を使っています。
とりあえず「素の味わい」を調べるため、味付けも下処理も一切なしにおもいのフライパンで焼いてみます。販売されていた肉屋では「ミディアムレアがオススメ」というポップが並んでいたので、その通りの焼き加減を目指します。
「カンガルーステーキ」をおもいのフライパンで焼いている様子 - YouTube
完成。側面の切り口から火の通り具合を見つつ焼きましたが、外は焦げ気味、中身がミディアムレアとかなり火が通りにくい印象。
そして最大の特徴が、切れにくさ。凝り固まったような強度で、ナイフを押し返すような強い弾力を感じます。断面を見ると、筋繊維を一方向に束ねたような肉ということがわかります。
「カンガルーステーキ」をナイフで切っているところ - YouTube
実際に食べてみると、味自体はローストビーフに近いものの、鹿肉のような臭みがわずかに感じられ、「土みたいな野趣あふれる味がする」という感想も出るほど。最大の特徴はパサパサした食感で、「肉汁が全部出て行った鶏もも」という声も。
というわけで、カンガルー肉は「筋繊維を一方向に束ねたような肉質で、固くて火が通りにくい」「臭みがある」ということがわかりました。この2つの問題を一挙に解消するため、スーパーマーケットのカルビ肉レベルの厚みにカットしてから、香辛料で臭み消しをしていきます。表面をジッと観察すると筋繊維が整列している方向が見えるため、それに垂直になるように包丁を入れます。
カット後が以下。
臭みはあったものの強くはないため、塩こしょう(左側)と、塩こしょう&バジル(右側)という味付けで2度目の挑戦。
焼いている様子が以下。今度は焦げつきにくさを重視して、マーブルコーティングのフライパンで焼いています。
「カンガルーステーキ」をいい感じに下ごしらえして焼いてみた - YouTube
完成。スーパーのカルビ程度の厚みにカットした場合、180度で片面45秒焼いて、裏返してからもう30秒焼くといい感じのミディアムレアになりました。
食べてみると、「ほとんど牛肉」という味わいですが、脂のうまみがやや落ちる印象。今回は調理がうまくいったためかパサパサ感はありませんが、肉質は固く、牛肉の中でもひときわ固いオージービーフの中でも特に固い部位ぐらいの食感。臭み消しは塩こしょうだけで十分で、野生あふれるテイストとは無縁になるので、「むしろワイルドな味わいをできる限り実感したい」という場合には味付けを控えたほうが良さそうです。
・つづき
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