レビュー

頭蓋骨を取り換えて特殊能力を受け継ぐ2Dローグライクアクション「Skul: The Hero Slayer」プレイレビュー


Skul: The Hero Slayer」は、2Dアクションにランダムに登場するアイテムを駆使してダンジョンに繰り返し挑む「ローグライク」を組み合わせた2Dローグライクアクションで、「頭蓋骨を取り換えてキャラクターを変身させる」という要素が特徴的なタイトルです。アーリーアクセス時点で、2020年度の大韓民国ゲーム大賞の「インディーズゲーム賞」とユニティコリアアワードの「ベスト革新賞」を受賞するという高い評価を受けていたので、実際にプレイしてどんなゲームになっているのか体験してみました。

Steam:Skul: The Hero Slayer
https://store.steampowered.com/app/1147560/Skul_The_Hero_Slayer/

物語は人間たちが魔王城に襲撃をかけたところから始まります。魔王国と人間の国は平和条約を結んでいたにもかかわらず、突如として勇者を旗頭にして侵略。魔王城は焦土と化しました。魔王を始めとする主要な魔族が捕らわれ、大半の兵士が討ち取られてしまった中、ある幼いスケルトンが見落とされていました。この「スカル」という名前の小さなスケルトンとなって、勇者を打ち倒して魔王国に平和をもたらすというのがこのゲームのストーリーです。


ジャンルとしては「Dead Cells」に代表される「2Dローグライクアクション」と言われるもので、ランダム要素をうまく使いつつ、2Dマップを死に戻りながら繰り返し進めていくというゲームです。実際のゲーム画面はこんな感じで、ステージは横スクロールタイプ。


左下側に表示されているのが、スカルのスキルとHP。HPは初期状態が100ですがアイテムなどで伸ばすことが可能で、1回あたりのダメージは10以下というくらいなので、数発で死ぬということはありませんが、回復手段は限られています。


右下側にはアイテムの購入などに使用する各種通貨や、マップが表示されています。マップ上に表示されている赤色の点が敵で、マップ上部の「11」という数が残された敵の数。トラップを回避しつつ奥へと進み、湧き出てくる敵を全て掃討するとステージクリアとなり、次のステージに進めます。


出てくる敵はさまざまで、攻め込んできた人間の兵士だけでなく、モンスターも登場します。スカルは、移動・ジャンプ・通常攻撃・ダッシュに加えて、「頭蓋骨を投げつける」「投げつけた頭蓋骨の位置にワープする」という2つのスキルを扱えるので、これらのアクションとスキルを駆使してモンスターを打ち倒していきます。

2Dローグライクアクション「Skul: The Hero Slayer」の初期状態の主人公は頭蓋骨を投げた位置にワープできる - YouTube


全ての敵は「スカルに向かってきて攻撃する」という単純な行動しかしてきませんが、その種類は多種多様。単に突進してくる兵士もいれば、遠くから矢を打ってくるアーチャー、魔法で光の球を打ち込んでくる魔法使い、皿を投げてくるメイドなど、さまざまな敵がスカルに襲いかかります。


アーチャーならスカルが同じ高さに立ったときに矢を打ってくる、メイドならスカルの頭の上を飛び越えてから皿を投げてくるというように、敵の攻撃パターンは多くない上、かなりの割合の敵が予備動作を行ってから攻撃してくる&大型以外の雑魚敵は殴れば行動を中断するので、ほとんどの攻撃は見てから対処することができます。しかし、とにかく同時に大量の敵が出てくるため、数で押されること必至。HPの回復手段は限られるので、なるべく攻撃は受けたくないところ。

2Dローグライクアクション「Skul: The Hero Slayer」で大量の敵が押し寄せている様子 - YouTube


そんなスカルを助けてくれるのが、バラエティ豊かなアイテム。ステージクリア時や道中に登場するショップでは、スカルを強化するアイテムを入手できます。1つ1つのアイテムはそれほど強くありませんが、最大9個まで所有可能で、「クリティカル率7%アップ」「敵を攻撃するたびにクリティカル率2%アップ」「敵を倒すと攻撃速度55%アップ」といった攻撃特化の組み合わせや、「スキル使用時に周囲に魔法ダメージを与える」「スキル使用時に火の玉を生成する」「スキル使用時に他のスキルのクールダウンを2秒短縮する」といったスキル特化の組み合わせなど、アイテムの構成次第では楽に攻略を進められることも。


アクティブ効果のあるアイテムもあり、「発動するとドラゴンが飛んできて炎のブレスを吐いてくれる」といった強力なアイテムも登場します。


そして、このゲーム最大の特徴が「頭蓋骨」のアイテム。スカルはスケルトン族なので、頭蓋骨を入れ替えることで、ウェアウルフの頭ならばウェアウルフに変身し、ミノタウルスの頭ならばミノタウルスに変身します。


以下のムービーでは「ウェアウルフ」から「ハンター」に頭蓋骨を入れ替えています。ウェアウルフとハンターはスキルが異なる上に、通常攻撃も近距離/遠距離と異なり、移動速度なども変化するので、感覚的には装備を取り換えたというよりも別のキャラクターに入れ替えたような印象。

2Dローグライクアクション「Skul: The Hero Slayer」は頭蓋骨を取り換えることでプレイキャラクターがガラッと変わる - YouTube


「グール」は、前方の敵を全て引き寄せる「フック投げ」「吸入」という2種類の引き寄せスキルを持っており、自キャラクターが巨大化して動きが鈍重になる代わりに一発あたりの与ダメージが大きくなります。変身は時間制限がないため、基本的には変身状態でステージを進めていけますが、取っておける頭蓋骨は2種のみで、3つ目の頭蓋骨を持って行きたい場合には、前の頭蓋骨の1つを置いていかなければなりません。

2Dローグライクアクション「Skul: The Hero Slayer」の頭蓋骨「グール」は強力な吸い込みスキルを持つ重量級キャラクター - YouTube


アイテムの他にも、道中の集落では人間の国でレストランを開きたいシェフがHPを回復する料理を売ってくれたり、戦場で頭を失ったデュラハンなどがタダで頭を1つ交換してくれたりします。ストーリーがメインのゲームではありませんが、登場するキャラクターはみんなコミカルで、ついつい出会うたびに話しかけてみたくなります。


エリアの最後にはボスが登場。HPが豊富な上に強力な攻撃を複数放ってくるため、ボスのモーションを見てどの攻撃が来るのかを判断し、上手に回避しつつ持てる全てを打ち込みます。

2Dローグライクアクション「Skul: The Hero Slayer」でエリア1ボスと戦っている様子 - YouTube


死んでしまうとアイテムを全て失って最初のステージからやり直しになってしまいますが、失われることのない「魔石」でHP・基礎攻撃力・魔法攻撃力・クリティカル率などの基本性能を強化することが可能。繰り返しプレイするうちに、ちょっとずつ前に進むことが可能です。


実際にプレイしてみると、「敵の行動を見極める」ことが重要だと感じました。それぞれの敵は予備動作を伴う固有のアクションしか行ってこないため、理屈の上では「見てから対処」できるわけですが、画面を埋め尽くすような攻撃を放ってくるボスや次から次へと沸いてくる雑魚敵、壁や床に張り巡らされたトラップなどを相手に実際に思い描くプレイができるかは別問題で、「わかっていたのに避けられなかった」ということが多々あります。そういったアクションゲーム特有の悔しさと、プレイするたびに異なる頭蓋骨やアイテムが登場するというローグライク要素がうまく組み合わさって、「もう1回だけ……」という中毒性がかなりありました。


「Skul: The Hero Slayer」はNintendo Switch版の発売も予定されていますが、2021年4月時点ではPC版のみ。PC版はSteamで購入可能で、価格は税込2050円です。

Steam:Skul: The Hero Slayer
https://store.steampowered.com/app/1147560/Skul_The_Hero_Slayer/


Nintendo Switch版は2021年夏に発売予定となっています。

Skul: The Hero Slayer [Indie World 2021.4.15] - YouTube

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in レビュー,   動画,   ゲーム, Posted by darkhorse_log

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