セキュリティ

大学生が試験監視ソフトウェアメーカーを訴える


アメリカの非営利団体である電子フロンティア財団(EFF)が2021年4月21日に、マイアミ大学の学生の代理人として、試験管理・監視システムを手がけるソフトウェアメーカー・Proctorioを提訴したと発表しました。EFFは、Proctorioが同社に批判的なツイートを削除するために著作権法を乱用したと訴えています。

EFF Sues Proctorio on Behalf of Student It Falsely Accused of Copyright Infringement to Get Critical Tweets Taken Down | Electronic Frontier Foundation
https://www.eff.org/press/releases/eff-sues-proctorio-behalf-student-it-falsely-accused-copyright-infringement-get

Proctorio sued for using DMCA to take down a student’s critical tweets | TechCrunch
https://techcrunch.com/2021/04/22/proctorio-sued-dmca-student-tweets/

マイアミ大学の学生でセキュリティ研究者でもあるエリック・ジョンソン氏は2020年9月に、ProctorioがChrome拡張機能として開発した試験監視ソフトウェアへの批判をTwitterに投稿しました。


一連のツイートの中でジョンソン氏は、Proctorioのソフトウェアのセキュリティやプライバシーについて論じるため、ソフトウェアのコードの一部が公開されたページへのリンクを含んだツイートを投稿しました。Proctorioがこのツイートに対し、デジタルミレニアム著作権法(DMCA)に基づく申請を行ったため、Twitterはジョンソン氏のツイート3件を削除しました。


この削除申請について、EFF所属の弁護士であるカラ・ガリアーノ氏は「ソフトウェア会社は、批判者をおとしめるために著作権法を悪用するべきではありません。自身の研究の解説をしたり、批判のためのコメントを裏付けたりするためにコードの一部を利用するのは、書評の中で本の一節を引用するのと何ら変わりありません」と述べて、コードの抜粋を著作権侵害として削除するのは権利の乱用であるとの見方を示しました。

なお、後にTwitterは「Proctorioの削除申請は不完全だった」としてジョンソン氏のツイートを復活させたため、記事作成時点では当該ツイートを閲覧することが可能です。ただし、ツイートに記載されているコードの公開ページへのリンクは、リンク切れになっています。


IT系ニュースサイトのTechCrunchが、Proctorioのマイク・オルソンCEOにコメントを求めましたが、記事作成時点では回答は得られていないとのことです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
Googleが「コードが著作権の対象になる」という裁判所判断はソフトウェア開発の未来を左右するとして対Oracle訴訟について嘆願書を提出 - GIGAZINE

Googleを著作権侵害で訴えているOracleもAmazonのコードをパクっているという指摘 - GIGAZINE

TikTokが「リバースエンジニアリングされたAndroidアプリのソースコード」の削除をGitHubに申請 - GIGAZINE

リモート学習に伴い導入された「不正行為防止ソフトウェア」の監視に大学生が苦しんでいる - GIGAZINE

オンラインで実施された高校生向けテストの提出にiPhoneを使用した生徒が不合格に、生徒たちは集団訴訟へ - GIGAZINE

in ソフトウェア,   セキュリティ, Posted by log1l_ks

You can read the machine translated English article here.