MacBook Pro専用水冷システムを構築して静音&高性能化を実現した猛者が登場
Appleが2020年11月に発表したM1チップを搭載するMacBook Proは高性能なデバイスとして高い評価を得ています。そんな中、旧世代のMacBook Proに高い静音性を獲得させるべく、専用の水冷システムを構築した猛者が登場しました。
So I water-cooled my MacBook Pro | MacRumors Forums
https://forums.macrumors.com/threads/so-i-water-cooled-my-macbook-pro.2290339/
MacBook Pro専用水冷システムを構築したのは、Apple情報専門サイトMacRumorsのフォーラムで活動するセオドリック氏です。セオドリック氏は旧世代MacBook Proのユーザーですが、あまりにも大きなファンの音がオンラインミーティングの邪魔になっていたとのこと。そこで、セオドリック氏は2018年にMacRumorsのフォーラムに投稿された「MacBookの裏側にヒートシンクを搭載してMacBookの性能&静音性を高める」という手法を試してみることにしました。
2018年に投稿された手法では、MacBookを裏向きにして小さなヒートシンクとファンを配置していました。しかし、セオドリック氏はMacBookを裏返さずに使用するために、「MacBook Proの下に大きな冷却プレートを配置し、ラジエーターを用いて冷却する」という手法を思いつきます。
セオドリック氏が構築した水冷システムにはAliExpressで販売されているマイニング用ASIC向けの冷却プレートや、Aquacomputer製のポンプ「Aquastream XT Ultra」、2005年に登場したラジエーター「Zalman Reserator 1 V2」、ホームセンターで購入したホースが用いられています。セオドリック氏によると最近のMacには水冷用のソフトウェアが存在しないので、ポンプの初期設定には仮想マシン上のWindowsを使い、温度の監視にはRaspberry Piを用いる必要があったとのこと。
また、セオドリック氏は、MacBook Proの内部にサーマルパッドを貼り付けて熱伝導性を高めました。
構築した水冷システムを用いた際のベンチマークスコアはこんな感じ。赤枠で示されているのは、セオドリック氏がマシンをマイナス15度の環境下に置いてスロットリングが起きないようにした時のスコアで、今回の水冷システムのベンチマーク結果はその上のオレンジ色のグラフです。この結果についてセオドリック氏は「ファンの音が気にならなくなり、以前よりも高いベンチマークスコアを記録するようになりました」と満足げに語っています。
なお、マイナス15度になるように「雪の上」でテストした時の光景が以下。
また、セオドリック氏はM1チップ搭載MacBook Airのベンチマークスコアも「雪の上」で測定しています。
その結果、水冷システムを用いたMacBook Proよりもはるかに高いスコアが記録されたとのことです。
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