マッチングアプリ「Tinder」などに相手の身元調査を行えるサービスが導入される
TinderをはじめとするMatch Group傘下のアプリで、ユーザーの身元調査を行えるようになるサービスが始まります。このサービスにより、名前や電話番号から逮捕歴や犯罪歴などを調べて、デートを行う相手を吟味できるようになると報じられています。
Match Group - Match Group Partners With Garbo To Make Groundbreaking Background Check Technology Accessible To Users, Starting With Tinder
https://ir.mtch.com/news-and-events/press-releases/press-release-details/2021/Match-Group-Partners-With-Garbo-To-Make-Groundbreaking-Background-Check-Technology-Accessible-To-Users-Starting-With-Tinder/default.aspx
Tinder will soon let you run a background check on a potential date through Garbo - The Verge
https://www.theverge.com/2021/3/15/22327854/match-group-garbo-tinder-background-check-update
Tinder will allow users to run background check on dates
https://nypost.com/2021/03/15/tinder-will-allow-users-to-run-background-check-on-dates/
Tinder will allow users to run background check on dates
Tinder to offer background checks on would-be dates - Axios
https://www.axios.com/tinder-background-checks-dates-1cbaf030-b479-4d3a-b691-3fe10c851823.html
マッチングサービス大手のMatch Groupは2021年3月15日に、逮捕歴などに関する公的記録を収集している非営利団体であるGarboと提携することを発表し、Garboが手がける身元調査プラットフォームを、Match Group傘下のサービスに導入する計画を打ち出しました。Match GroupはTinderのほか、Match.comやMeeticなど多数の恋愛・結婚マッチングサイトを運営していますが、2021年後半にまずTinderから身元調査サービスが開始される見込みです。
Garboの身元調査プラットフォームはまだ一般向けに公開されたことがないため、身元調査サービスの詳細や精度は記事作成時点では不明です。Match GroupはGarboの活動内容を「逮捕・有罪判決・接近禁止命令・ハラスメント・そのほかの暴力犯罪を含む暴力や虐待の公的記録ないし報告書の収集」と説明し、多くのユーザーが利用可能な低価格で身元調査サービスが実現すると述べました。
なお、Garboは暴力や犯罪行為などに関する公的記録を広範に収集していますが、薬物所持に関する記録は公表しない予定としています。Garboはその理由について、「黒人が薬物に関する容疑で逮捕される割合が白人に比べて不当に高いという調査結果があるため」「薬物関連の犯罪が『ジェンダーに基づく暴力と関連性が低いため』」と説明しています。また、Garboは薬物犯罪のほか、交通違反に関するデータも非公開としました。
Garboの創設者兼最高経営責任者(CEO)であり、また自らも暴力の生存者だというキャサリン・コスミデス氏は、提携発表に際して「歴史的にサービスが行き届いてこなかった人々にリーチすることが、Garboの使命の基礎です。Match Groupとのパートナーシップは、私たちがマッチングサービスのコミュニティとつながる助けとなることでしょう」とコメントしました。
Match Groupは2020年にも性犯罪被害者の支援団体であるRape, Abuse & Incest National Network(RAINN)と提携することを発表しています。さらに、元警察官でUberの安全管理者を務めた経験もある女性のトレイシー・ブリーデン氏を安全責任者に起用するなど、同社のサービスにおける性的暴力の防止や安全対策の強化に力を入れていることが知られています。
今回の発表を取り上げた海外メディアのNew York Postは、「これまで出会い系アプリは、凶悪な犯罪者が交際相手を装って被害者を誘う目的で使われることがありました。例えば、2018年にはTinderで知り合った24歳の女性を殺害したとして、ネブラスカ州在住の男が起訴されています」とコメントしました。
またThe Vergeは、「身元調査サービスによって、人々が出会い系アプリに求める匿名性が覆される可能性があります。とりわけTinderは、以前から一貫して名前や経歴などの個人情報の取り扱いを重要視してきました。Match GroupがGarboとユーザーデータを共有することはありませんが、今後Tinderのユーザーはデート相手の名字や電話番号から、相手の身元調査が可能になることでしょう」と述べました。
Garboとの提携により実施される身元調査サービスは、2021年後半にアメリカのTinderでスタートします。記事作成時点のところ、日本のTinderに導入される予定はありません。
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