無料で超高性能なメディアプレイヤー「VLC」開発プロジェクト「VideoLAN」オープンソース化から20周年
オープンソースで開発されるマルチメディアプレーヤー「VLC」を開発する非営利団体「VideoLAN」が、2021年2月1日でオープンソースプロジェクトとなってから20周年を迎えました。VideoLANは2021年後半から20周年を祝うイベントを開催する予定だと述べています。
Press Release - VideoLAN is 20 years old! - VideoLAN
https://www.videolan.org/press/videolan-20.html
完全無料で広告も表示されないマルチメディアプレイヤーのVLCはWindows・macOS・Linux・Android・iOSといった複数のプラットフォームで動作可能で、数多くのメディアコーデックとフォーマットに対応したアプリケーションです。2012年には10億回ダウンロードを、記事作成時点で35億回以上のダウンロードを記録し、圧倒的な支持を受けています。
VLCを開発するVideoLANは、フランスの理工学・技術系教育機関の最高峰とされるエコール・サントラル・パリの学生たちによって1996年に立ち上げられたプロジェクトです。ちなみに、VLCは「VideoLAN Client」の略称です。
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当時のPCユーザーの大多数にとってメディアプレイヤーとは、Windowsに標準で搭載されていたMicrosoftのWindows Media Playerでした。しかし、Windows Media Playerは対応しているファイル形式が少なかったため、ファイルによっては開けないものも存在しました。
そんな中で登場したVLCは完全無料な上に非常に多くのコーデックを内蔵しており、コーデックを別途導入しなくてもさまざまなファイル形式に対応していたことから、あっという間に世界中で人気のメディアプレイヤーとなりました。なお、VLCのバージョン1.0は2009年7月にリリースされています。
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当初、VideoLANは大学のカリキュラムの上で進められていたプロジェクトでしたが、VLCが大きな成功を収めたことから、非営利団体によって運営される独立したソフトウェア開発プロジェクトに転身。2001年2月1日にエコール・サントラル・パリの合意を得て、VideoLANはオープンソースプロジェクトの運営母体となり、VLCを含むVideoLANプロジェクトや、libdcaやliba52やlibmpeg2などのデコードライブラリもGPLライセンスの下に置かれるようになりました。
記事作成時点に至るまで、VideoLANにはおよそ1000人のボランティアが関わってきました。VLCやエンコーダー、ライブラリも増えており、近年ではAV1デコーダーであるdav1dも開発されています。
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VideoLANによれば、20周年を記念したイベントがオンラインとオフラインの両方で計画されているとのこと。ただし、新型コロナウイルスのパンデミックの影響で、イベント実施は2021年後半まで延期するそうです。
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