SpaceXが「全クルーが民間人」という宇宙旅行プロジェクト「Inspiration4」を発表
民間宇宙開発企業のSpaceXが2021年の第4四半期(10~12月)に4人の民間人を宇宙に送り込むプロジェクト「Inspiration4」を発表しました。
Inspiration4 - Home
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SpaceX to Launch Inspiration4 Mission to Orbit - SpaceX - Updates
https://www.spacex.com/updates/inspiration-4-mission/
SpaceX announces first mission to space with all-civilian crew
https://www.nbcnews.com/science/space/spacex-announces-first-mission-space-all-civilian-crew-n1256390
「Inspiration4」はフロリダのケネディ宇宙センター第39発射施設から2段式打ち上げロケットのファルコン9で自社製有人宇宙船「Crew Dragon」を打ち上げるというプロジェクト。SpaceXはCrew Dragonの打ち上げに何度も成功していますが、「Inspiration4」の特徴は「クルー全員が民間人」という点です。
「Inspiration4」は、アメリカの統合決済処理ソリューションプロバイダーであるShift4 Paymentsのジャレド・アイザックマンCEOがチャリティープログラムの一環として、小児がん治療で知られるセントジュード小児研究病院に1億ドル(約105億円)を提供するとともに、Dragon Crewの座席4つを購入。1席目にはアイザックマンCEO自身が搭乗し、2席目にはセントジュード小児研究病院のアンバサダー、3席目には同病院に対する寄付者、4席目にはShift4 Paymentsが実施するオンライン起業支援プログラムを利用した起業家が搭乗します。
この4人の民間人は、SpaceXによるCrew Dragonの取り扱い方法や軌道力学、微小重力や無重力下におけるオペレーション、緊急時対応、スペーススーツの着脱、宇宙船の入退室などの商用宇宙飛行士向けのトレーニング講座を受講し、さらにミッションのリハーサル訓練を通しで行った後に宇宙に向けて旅立つ予定。90分で地球を1周する軌道で数日間にわたって地球を周回後、フロリダ沖に帰還します。
SpaceXの創業者兼CEOのイーロン・マスク氏はインタビューに対して、「全く新しい交通システムには先駆者が必要です」「宇宙旅行は最初は高価ですが、打ち上げ率や生産性が向上し、テクノロジーが洗練されるにつれて安価になり、より多くの人々が利用できるようになります」とコメントしています。
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