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クーデター勃発のミャンマーでインターネットが一時遮断される、バイデン大統領は制裁に言及


インターネット上の言論の自由などを監視する団体であるNetBlocksが、2021年2月1日に勃発したミャンマー国軍によるクーデターの影響により、同国でインターネット接続が一時遮断されたと報じています。

Internet disrupted in Myanmar amid apparent military uprising - NetBlocks
https://netblocks.org/reports/internet-disrupted-in-myanmar-amid-apparent-military-uprising-JBZrmlB6

Amid military coup, Myanmar's internet is partially blacked out - CyberScoop
https://www.cyberscoop.com/myanmar-burma-miliary-coup-internet/

NetBlocksは2月1日に、「ミャンマーで軍事的な蜂起が発生し市民の指導者が拘束されたとの報道がある中、インターネットにも異常が発生しています。リアルタイムのネットワークデータの監視により、ミャンマーでは現地時間の3時ごろから全国的な接続性が通常レベルの75%に低下したことが分かりました」とTwitterで報じました。

⚠️ Confirmed: Internet disrupted in #Myanmar amid military uprising and reports of detention of civilian leadership; real-time network data show national connectivity falling to 75% of ordinary levels from 3:00 a.m. local time; incident ongoing ????

???? https://t.co/Jgc20OBk27 pic.twitter.com/CgBkyamrP6

— NetBlocks (@netblocks)


ミャンマーにおけるインターネットの接続性は、現地時間の8時ごろには50%にまで低下しました。

Update: Internet connectivity in #Myanmar has fallen to 50% of ordinary levels as of 8:00 a.m. local time amid an apparent military coup and the detention of civilian leaders; pattern of disruption indicates centrally issued telecoms blackout order ????

https://t.co/Jgc20OBk27 pic.twitter.com/71fHI3sRv3

— NetBlocks (@netblocks)


NetBlocksは、ネットワークの技術的な解析結果から、「国営のミャンマー郵電公社(MPT)や、国際的な通信事業者であるTelenorなど複数のネットワーク事業者が今回の通信切断の影響を受けています。初期調査の結果は、モバイルと一部の固定回線サービスを標的とした計画的なメカニズムの存在を示唆しています」と述べて、当局主導のインターネット切断が行われたとの見方を示しました。

NetBlocksによると、現地の協力者やジャーナリストからも、インターネット接続やモバイル通信が同時に失われたという情報が入っているとのこと。

ミャンマー在住のTwitterユーザーであるAye Min Thant氏は、2月1日の早朝に「人々はおびえていますが、今のところはかなり静かです。朝6時から友人や親戚から電話がかかってきていますが、インターネットはつながったり切れたりを繰り返していて、SIMカードも使えなくなってしまいました」とツイートしました。

I guess I'll be live tweeting a coup now. Things are still pretty quiet for now, though people are awake and scared. I've been fielding calls since 6 am from friends and relatives. The internet is in and out and my sim card no longer works.

— Aye Min Thant (@the_ayeminthant)


また市場では、パニック買いというほどではないにせよ家族総出で物を買いあさる光景が見られるほか、ATMが機能せず銀行も開かないといった情報も入っているそうです。

The market is busier than usual, but people seem to be buying fairly normal amounts. It doesn't look like panic buying. The increased patronage may be due to a noticable increase in male shoppers. It seems like whole families are out and not just the women. pic.twitter.com/oU9G7krr6Y

— Aye Min Thant (@the_ayeminthant)


ミャンマーのインターネット接続はその後、通常レベルの75%まで復旧していますが、依然として通信が遮断された状況が続いているユーザーも多いことから、NetBlocksは「政治状況や非常事態宣言の発令などを踏まえると、ミャンマーでは年単位の非常事態が発生しようとしていると見られます」と述べました。

Update: Internet service in #Myanmar has been partially restored as of midday with users learning of a new political landscape and year-long state of emergency declared by the military; network data show connectivity back up to 75% of ordinary levels ????

????https://t.co/Jgc20OBk27 pic.twitter.com/H3P9y577Ss

— NetBlocks (@netblocks)


今回の事態に対し、デジタル権利を専門とする非営利団体であるAccessNowの上級国際顧問兼アジア太平洋政策担当者であるRaman Jit Singh Chima氏は「民主主義への移行を妨げるためにインターネットをシャットダウンし、通信を遮断する行為は容認できません。このような時期に接続を切るのは、暴虐や弾圧を隠匿し、その罰を免れるための常とう手段です。軍を含むミャンマーの全ての為政者は、自分の政治的信条にかかわらず、あらゆる人々の切れ目のないインターネット接続を取り戻すため直ちに行動を開始しなければなりません」とコメントしました。

また、アメリカのジョー・バイデン大統領も2月1日付けで声明を発表し、その中で「ミャンマーの首都・ビルマでの軍による権力掌握と事実上のトップであるアウンサンスーチー氏をはじめとする当局者の勾留、そして国家緊急事態宣言の発令は、同国が民主化し法に基づく統治に移行するプロセスへの直接的な攻撃です。国際社会は一丸となってビルマの軍に圧力をかけ、彼らが掌握した権力を直ちに放棄し、拘束した活動家と当局者を釈放し、あらゆる通信制限を解除し、民間人に対する暴力を行わないよう働きかけなければなりません」と呼びかけました。

同時にバイデン大統領は、アメリカが軍事政権時代のミャンマーに経済制裁を科していたことを念頭に、「アメリカは過去10年間にわたり、ミャンマーが民主化する歩みに沿って制裁を解除してきました」と指摘。「その進展を逆戻りさせるのであれば、アメリカは制裁関連法や権限を即座に見直し、適切な措置を講じなければなりません」と述べて、現状が続く場合は経済制裁を再開させる可能性があるということに含みを持たせました。

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in ネットサービス, Posted by log1l_ks

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