自分好みのアバターと付き合える未来はすぐそこまで来ている
AIは急速に進歩しており、新薬の開発や、ペットの表情認識といったさまざまな用途で実用化されています。そんなAIは、出会い系アプリでのマッチング成功率を高めるためにも利用されており、近い将来、AIによって作成された「相性のいいアバター」とデートすることが一般的になるとグリフィス大学でサイバーセキュリティの上級講師を勤めるデイビット・タフリー氏が予想しています。
Love in the time of algorithms: would you let your artificial intelligence choose your partner?
https://theconversation.com/love-in-the-time-of-algorithms-would-you-let-your-artificial-intelligence-choose-your-partner-152817
2013年に公開された映画「her/世界でひとつの彼女」は、人間がAIに恋するストーリーが評価され、アカデミー脚本賞を受賞しました。タフリー氏は、「人間とAIの恋愛はフィクションの中の出来事ではなく、近い将来、現実になります」と語っています。
すでに出会い系アプリでは、カップルのマッチングに役立つさまざまなAIが提供されているとのこと。例えば、出会い系アプリ「Match.com」には、「ララ(Lara)」と名付けられたAIチャットボットが搭載されており、各ユーザーの情報を元にマッチング成功に向けた適切な情報を提示してくれます。また同様に「baboo」という出会い系アプリには、好みの顔写真をアップロードすることでAIが似た顔のユーザーを提案してくれる機能を搭載。他にも「eHarmony」では、AIがユーザー同士のチャットを分析し、「次の一手」を提案してくれます。
これらのAIを用いる利点は、「ユーザーが自らの潜在的な好みに気づけること」だとフラッター氏は指摘しています。人間は自分自身の感情や好みを正確に認識することが苦手なため、マッチングサイトによる適性診断に対して、無意識に不正確な回答をしてしまうことがあるとのこと。しかし、AIは「ユーザーのプロフィール」「チャットの内容」「SNSの投稿」といった膨大な情報からユーザーと相性のいい相手を割り出すことができます。
また、VRやARといった仮想技術を用いて仮想的な相手とデートするサービスがすでに提供されていることから、将来的には、AIが割り出した「相性のいいアバター」とデートすることも可能になるとフラッター氏は述べています。
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さらに、仮想空間だけでなく、現実世界で動作するセックスロボットの実用化も進んでおり、セックスロボットに「相性のいい人」を演じさせることも可能になるとフラッター氏は予想しています。
しかし、セックスロボットの普及には、安全性や、法律、倫理などさまざまな観点で問題が残っています。フラッター氏は、「人間は火を発見し、安全に扱う方法を学びました。これと同様に新しいテクノロジーを正しく使いこなす方法を学ぶ必要があります」と締めくくっています。
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