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Facebookが租税回避用のアイルランド持株会社を引き上げ


Facebookが長年にわたって租税回避に用いてきたアイルランドの持株会社を閉鎖しました。

Facebook moves key assets out of Ireland | Ireland | The Times
https://www.thetimes.co.uk/article/facebook-moves-key-assets-out-of-ireland-5th5j9f86

Facebook Shutting Irish Units at Center of Tax Dispute: Times - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2020-12-26/facebook-shutting-irish-units-at-center-of-tax-dispute-times

Facebook to close Irish holding companies at centre of tax dispute | Facebook | The Guardian
https://www.theguardian.com/technology/2020/dec/27/facebook-to-close-controversial-irish-holding-companies

Facebookは割安なアイルランドの法人税を利用して、「アイルランドの持株会社でグローバルな広告収入を計上する」という租税回避を長年にわたって続けてきました。実際に、問題の持株会社であるFacebook International Holdingsが計上した2018年度の収益はおよそ300億ドル(約3兆1000億円)と、Facebookの全世界の売上高560億ドル(5兆8000億円)の半分以上を占めています。経済協力開発機構加盟国の平均法人税は24.9%、アメリカの法人税は35%である一方、アイルランドの法人税は12.5%と税率にかなりの差があったため、このような租税回避策が有効でした。


Facebookは2020年12月16日にはユーザーデータをアイルランドから本国に移管するなど、問題の持株会社を閉鎖する前触れともいえる動きを見せていましたが、現地時間2020年12月27日にFacebook International Holdingsを閉鎖しました。これについて、Facebookは「経営体制に沿う変更の一環として同社を解散させた」と説明し、同社の知的財産ライセンスなどの資産はアメリカのFacebook本社に移管されたと述べました。

Facebookの動きは、アメリカの連邦税に関する執行・徴収を司るアメリカ合衆国内国歳入庁(IRS)がFacebookの租税回避を不当として、1兆円規模の追徴課税を求めて訴えを起こした一件が関係しているとみられています。

Facebookが1兆円もの税金を払っていないと国税庁に訴えられる - GIGAZINE


イギリス大手紙のThe Guardianは、同国におけるFacebookの広告収入は22億ポンド(約3090億円)であるにも関わらず、支払った税金は2860万ポンド(39億円)だと指摘。Facebookの支払った税金について、責任ある課税に関する委員会の議長を務めるマーガレット・ホッジ議員が「beggar(乞食)」に引っかけて「beggars belief(信じられない)」と語ったと報じました。

なお、2020年1月にはGoogleもアイルランドやバミューダ諸島を利用した租税回避を縮小するという決断を下していました。

Google、租税回避地を使った「節税」を縮小: 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54011920S0A100C2TJC000

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in ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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