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Facebookが1兆円もの税金を払っていないと国税庁に訴えられる


アメリカの連邦税に関する執行・徴収を司るアメリカ合衆国内国歳入庁(IRS)が、90億ドル(約1兆円)の税金が未払いだとしてFacebookを訴えました。IRSは、Facebookが2010年から2016年にかけて租税回避を続けてきたと主張しています。

Facebook faces tax court trial over Ireland offshore deal - Reuters
https://www.reuters.com/article/us-facebook-tax/facebook-faces-tax-court-trial-over-ireland-offshore-deal-idUSKBN20C2CQ

Facebook sued by the IRS for $9 billion in unpaid taxes - The Verge
https://www.theverge.com/2020/2/19/21144291/facebook-irs-lawsuit-9-billion-taxes

Facebookが行ってきた租税回避策とは、法人税の低いアイルランドに設置した支局でグローバルな広告収益を計上するというもの。2018年までのアメリカの法人税は35%でしたが、アイルランドの法人税は12.5%と税率にかなりの差があったため、このような租税回避策が有効でした。

Facebookのアイルランド支局はアメリカ本部に対して、「特許技術や商標などに対してロイヤリティーを支払う」という契約を結んでいました。IRSが訴訟を起こしたのは、アメリカ本部はロイヤリティー料を不当に安く見積もって販売したという問題です。アメリカ本部が得るロイヤリティー料は課税対象となるため、アメリカの高額な法人税がかかります。そのため、アメリカ本社は可能な限りロイヤリティー料を抑えてアメリカの法人税を避けたというのがIRSの訴えです。


IRSはFacebookが支払っていない税金は90億ドルにも上ると主張しています。Facebookはこの訴訟が3週間から4週間で決着すると見積もっています。また、裁判には、技術部門主任であるMike Schroepfer氏やハードウェア部門主任のAndrew Bosworth氏など、複数のFacebook幹部が証言のため出廷する予定です。

テクノロジー系メディアのThe Vergeに対して、FacebookのBerti Thomson氏は同社が2010年の取引は妥当と見なしていると回答。Thomson氏は、2010年時点ではモバイルに関する広告収入はゼロで、デジタル広告事業がどうなるかは未知数だったと主張しました。


近年、同様の租税回避に対する訴えが相次いで行われています。2016年にはAppleがアイルランドで税制優遇を受けていた件に対し、EUは130億ユーロ(約1兆6000億円)の追徴課税を納めるように命じました。

Appleがアイルランドで税制優遇を受け1兆6000億円の追徴課税を命じられた経緯とは? - GIGAZINE

by Jinx!

Appleと同様に、Googleも199億ユーロ(約2兆4600億円)の資金を租税回避地として知られる英領バミューダに移していたことが2019年に明らかになっています。

米グーグル、17年に2兆円以上を租税回避地バミューダへ移転 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
https://www.afpbb.com/articles/-/3205140


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in ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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