自転車と自動車の共存を車道の上で目指す「シャロウ」とは?
サンフランシスコ市では、自転車専用道路を市内インフラの一部として増設する計画が立てられました。しかし、新型コロナウイルスの流行で市の予算が大幅に見直された結果、自転車と自動車の共用車線を示す「シャロウ」が新しく検討されているそうです。
Sharrows, the bicycle infrastructure that doesn’t work and nobody wants - macwright.com
https://macwright.com/2020/12/04/sharrows.html
シャロウ(Sharrow)は、以下のように自転車と矢印を組み合わせた道路標識で、「Share(共有する)」と「Arrow(矢印)」を組み合わせて名付けられています。
by Jess J
デンバー市の自転車計画担当者であるジェームズ・マッケイ氏によって1993年に考案されたシャロウは、自転車が車道の中央を走ることを合法化し、自動車と自転車が車道を共有できるようにするという試みです。
Episode 4: A Brief History Of The American Sharrow | The Bicycle Story
https://www.thebicyclestory.com/2016/03/episode-4-a-brief-history-of-the-american-sharrow/
シャロウは車道に自転車のアイコンを描くことで、ドライバーにサイクリストの存在を認識させるだけではなく、自転車が駐車した自動車のドアにぶつかったり、路肩を走る自転車が自動車の進行を妨げたりしないようにする目的もあったそうです。
しかし、実際に(PDFファイル)アンケートを採ると、調査したドライバーの大多数がシャロウに気づかないと主張しました。アンケートに回答したドライバーの母数が少ないため、シャロウの導入は予定通り行われましたが、調査した運転手のうち、シャロウの標識に気づいたのはわずか21%だけでだったとのこと。
また、サンフランシスコ市民およそ200人と自転車利用者50人を対象にした口頭調査では、自転車の利用者のほとんどが「シャロウの標識が小さすぎて効果はない」と答えたそうです。
マクライト氏は「シャロウに関する研究はどれも、安全性が明確に測定されていません。車から自転車までの距離や自転車の路上での位置などについては、印象論のような統計的推論を行っているだけで、実際の安全性は厳密には測定されていません」と述べています。
マクライト氏と同様の指摘は、2016年にすでに存在しており、サンフランシスコ市はシャロウを廃止して自転車専用道路を新設する計画を立てていました。しかし、新型コロナウイルスの対応で予想外の出費を強いられたサンフラシスコ市は、自転車専用道路新設計画の予算をカットし、再びシャロウを街中の車道に導入しようとしています。
マクライト氏は「自転車に乗る人なら誰でも、車との接触が危険で危険だということを知っています。法的拘束力もないシャロウは役に立っていないようです。今は、静かな脇道に危険な自転車を追いやり、アスファルトの中に消えていくようにする時です」と述べ、シャロウを減らすように訴えています。
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in 乗り物, Posted by log1i_yk
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