AdobeがFlash Playerの最後のアップデートを実施、キルスイッチの発動により20年の歴史に幕が下ろされる

by valentin.d

Adobeが2020年12月8日に、Flash Player向けの最後のアップデートを配信しました。また、AdobeはFlash Playerのサポート終了を告知するAdobe Flash Player EOL(EOLはEnd Of Life／寿命の終わりの意)のページを更新し、2021年1月12日以降はFlash PlayerでのFlashコンテンツの実行がブロックされることを告知しています。

Release Notes Flash Player 32 AIR 32
https://helpx.adobe.com/flash-player/release-note/fp_32_air_32_release_notes.html

Adobe Flash Playerサポート終了
https://www.adobe.com/jp/products/flashplayer/end-of-life.html

Update: 12 Day Grace Period on the Flash Player Killswitch – Data Horde
https://datahorde.org/?p=1856

1990年代から2000年代にかけてオンラインコンテンツの主流だったAdobe Flashの歴史や、廃止に至った経緯は以下の記事に詳しくまとめられています。

Adobe Flashの名作ムービーが2020年12月のサポート終了以降もインターネットアーカイブでアクセス可能に - GIGAZINE

Adobeは12月8日にFlash Playerのリリースノートを更新し、「本日、中国本土をのぞく全ての地域における、Flash Playerの最終リリースが配信されます。この場をお借りして、これまで20年以上にわたりFlash Playerを使用し、素晴らしいコンテンツを作成してくれたすべてのユーザーと開発者に感謝の言葉を贈ります。私たちは、Flashがアニメーション・インタラクティブ機能・オーディオ・ビデオなどのウェブコンテンツを進化させる上で重要な役割を果たしたことを誇りに思うと同時に、デジタルコンテンツの次の時代に歩みを進めるお手伝いができることにワクワクしています」と述べました。

なお、最終アップデートの対象として中国が除外されているのは、中国ではすでにバージョン30以降のFlash Playerの配布が停止されているのが理由だと思われます。

また、インターネットの保存に特化したニュースブログData Hordeによると、Adobeは8月のアップデートでFlash Playerにキルスイッチを導入しており、これによりサポート終了日より前にインストールされたFlash Playerを無効にする予定だとのことです。

これについて、Data Hordeは「AdobeがFlash Playerを確実に殺そうとしているのを見るのはいまだにつらいですが、Flash Playerが終わるまでの過程を明確にして、インターネットユーザーがそのことに順応できるようにしようという彼らの試みはありがたいものです」とコメントしました。

Adobe Flash Player EOLページでは、Flash Playerが12月31日にサポートを終了するほか、「2021年1月12日以降はFlash PlayerでのFlashコンテンツの実行がブロックされる」ことが告知されています。これについてAdobeは、Flash Playerがサポートされなくなったことに伴い、ユーザーを保護する必要が生じたためだと説明しています。

また、AdobeはFlash Playerをインストールしているユーザーに対し、すみやかにアンインストールすることを強く推奨しているほか、MicrosoftもWindowsユーザー向けにFlash Playerを削除するツールを配布しています。

なお、Flash Playerのサポート終了後も、非営利団体インターネットアーカイブによるFlashコンテンツのアーカイブにより、往年の名作ムービーやゲームを楽しむことが可能です。

Adobe Flashの名作ムービーが2020年12月のサポート終了以降もインターネットアーカイブでアクセス可能に - GIGAZINE