Qualcommが次世代SoC「Snapdragon 888」を発表、ついに5Gモデム内蔵&GPUが大幅強化
半導体大手のQualcommが2020年12月1日~2日に開催されたイベント「Qualcomm Snapdragon Tech Summit 2020」で、Snapdragon 865やSnapdragon 865 Plusに続く次世代のスマートフォン向けSoCのフラッグシップモデルとなる「Snapdragon 888」を正式発表しました。
Qualcomm Snapdragon Tech Summit 2020 | Qualcomm
https://www.qualcomm.com/company/events/snapdragon-tech-summit
Qualcomm’s new Snapdragon 888 processor will power the Android flagships of 2021 - The Verge
https://www.theverge.com/2020/12/1/21678359/qualcomm-snapdragon-888-processor-first-look-5g-performance-ai-photography
Snapdragon 865およびSnapdragon 865 Plusは5Gモデムを内蔵していませんでしたが、Snapdragon888は第3世代の5Gモデム「Snapdragon X60」内蔵しており、サブ6GHz帯およびミリ波帯に対応します。同時に、5Gモデムを内蔵したことでスマートフォン内のスペースの節約にも貢献します。
また、Qualcomm Snapdragon Tech Summit 2020の1日目に行われた基調講演で、Snapdragon 888のGPU性能が前モデルと比較して35%向上したことが発表されました。Snapdragon 888ではTrue 10bit HDRの4K描画が可能になるほか、144Hzリフレッシュレートへの対応によって、ゲーミング性能が大幅にアップしたとのこと。
さらに画像処理プロセッサ(ISP)の性能が向上し、毎秒最大2.7ギガピクセルで写真やムービーを撮影可能となりました。これは「1200万ピクセルのカメラで毎秒120枚の写真を撮影できること」を意味します。
くわえて、Snapdragon 888はデジタルシグナルプロセッサ(DSP)にQualcomm Hexagonシリーズを採用し、第6世代「Qualcomm AI Engine」を搭載。これによって26TOPS、つまり1秒間に26兆回の演算処理が可能となり、Snapdragon 865に搭載されている第5世代Qualcomm AI Engineと比較して約1.7倍の性能を実現しています。
Qualcommによれば、Snapdragon 888は2021年にXiaomi Mi 11シリーズでデビュー予定とのこと。また、XiaomiのほかにASUS、Lenovo、LG、Motorola、シャープ、Oppo、ZTE、OnePlus、Vivo、OnePlus、Realme、Black Shark、MEIZU、NubiaがSnapdragon 888を搭載したデバイスの開発を進めています。
Snapdragon 888のより詳しい性能については、2日目に追って発表されるとのこと。なお、1日目の基調講演は以下のムービーから視聴可能です。
Day 1 Keynote - Qualcomm Snapdragon Tech Summit 2020 - YouTube
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