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スマホメーカー・ZTEが再び「国家安全保障上の脅威」に指定される

by CCS Insight

アメリカにおける放送通信事業の規制監督を行う連邦通信委員会(FCC)が、「中国企業が製造した通信機器はスパイに使用されている」ことを懸念して、ZTEを「国家安全保障上の脅威」に再び指定しました。

ZTE Corp.’s Designation as Security Threat Affirmed by U.S. FCC - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2020-11-24/zte-corp-s-designation-as-security-threat-affirmed-by-u-s-fcc

2020年7月1日、FCCはHuaweiおよびZTEを「国家安全保障上の脅威」に指定。この決定により、FCCが管理する助成金のUniversal Service Fundを使ってHuaweiやZTEの通信機器を購入したりメンテナンスしたりすることができなくなりました。Universal Service Fundの予算は年間83億ドル(約8700億円)で、多くの小規模通信事業者が通信網を整備するために活用しています。

HuaweiとZTEがついに「国家安全保障上の脅威」に指定される - GIGAZINE

by Kārlis Dambrāns

これに対して、HuaweiおよびZTEは不服として決定の見直しを求める申し立てを行っていたのですが、FCCは再びZTEを「国家安全保障上の脅威」と指定すると発表しました。今回の決定について、Bloombergは「今回の決定は、FCCがHuaweiやZTEを安価なネットワーク機器に依存せざるを得ない小規模な地方の通信事業者から追い出すことを決意したことを示しています」と述べています。

今回、FCCが「国家安全保障上の脅威」に指定したのはZTEのみで、Huaweiによる不服申し立てについては12月11日まで判断の期限を延長するとしています。


FCCのパイ委員長はZTEを「国家安全保障上の脅威」に指定した件について、「アメリカの通信ネットワークをセキュリティリスクから保護するための継続的な取り組みにおける1つの重要なステップとなる」と述べました。

また、パイ委員長は自身のTwitterアカウント上で、「中国の法律が企業に対して『政府の情報収集活動へのアクセス・協力・サポートを提供すること』を義務付けていることについて問い合わせたところ、ZTEから反論などはありませんでした」と述べ、ZTEの通信機器がスパイ行為に使用されている可能性があると改めて指摘しています。

The @FCC's Public Safety and Homeland Security Bureau has rejected #ZTE's request that the agency reconsider its June 2020 order designating the China-based company as an entity that poses a national security threat to the communications supply chain. https://t.co/rWU6aq6w8Y pic.twitter.com/7wbh1kSlOB

— Ajit Pai (@AjitPaiFCC)


FCCの推定によると、数十の通信事業者がUniversal Service Fundを用いてHuaweiまたはZTEの機器を購入し、ネットワークを構築しているとのこと。FCCはこれらの機器を安全なメーカー製のものに交換するための資金を捻出するとしていますが、交換にかかる費用は4000万~4500万ドル(約42億~47億円)程度になると見積もられています。

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in メモ, Posted by logu_ii