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AIカメラが審判のつるつる頭をサッカーボールと誤認し自動追跡する珍事が発生


イギリスで開催されたサッカーの試合で、ボールを自動追跡するAIを搭載していたカメラが審判の頭をサッカーボールと誤認してしまう事態が発生しました。カメラが審判の頭にズームインしすぎるあまり、視聴者が試合をまともに観戦できなかったため、コメンテーターが視聴者に謝罪しなければならなかった一幕もあったと報じられています。

AI camera operator repeatedly confuses bald head for soccer ball during live stream - The Verge
https://www.theverge.com/tldr/2020/11/3/21547392/ai-camera-operator-football-bald-head-soccer-mistakes

AI Camera Ruins Football Game By Mistaking Referee's Bald Head For Ball
https://www.ndtv.com/offbeat/ai-camera-ruins-football-game-by-mistaking-referees-bald-head-for-ball-2319171

イギリス・スコットランドのサッカークラブであるインヴァネス・カレドニアン・シッスルFC(ICTFC)は2020年10月に、無人AIカメラを開発しているPixellotとの提携により「ICTTVライブストリーミング」を導入したことを発表。ホームスタジアムであるカレドニアンスタジアムで開催される試合は、カメラマンを起用せず、無人のAIカメラで撮影した映像を配信すると発表しました。

10月24日にカレドニアンスタジアムで開催されたICTFCとエアー・ユナイテッドFC(AUFC)の試合で、AIカメラを用いた試合の生配信が行われましたが、その際にAIカメラがサッカーボールと審判の頭を誤認してしまう事態が発生しました。


以下のムービーを再生すると、AIカメラが試合そっちのけで審判にズームインしまくっている様子をまとめた映像を見ることができます。

CaleyJags : SPFL Championship : Real Highlights: ICTFC 1 v 1 AYR : 24/10/2020 - YouTube


サッカーの試合でカメラが中心に捉えているのは、ボールではなく逆光を受けて光る審判の頭部。


フィールドでは、熱いサッカーボールの奪い合いが展開されていますが……


すぐにフレームアウトして審判が中心に映ってしまいます。


やっとドリブルしている選手を捉えたかと思いきや……


すぐにカメラが審判に向いてしまいました。


このハプニングを取り上げたIT系ニュースサイトThe Vergeは、「まるでAIカメラが副審に恋をして、彼の美しく輝く頭にズームインせざるを得なかったかのようです」と報じています。

一方、SNSには、試合を観戦していたファンからの不満の声が噴出しています。Twitterには「何もかもがひどい。これは先週末のサッカーの試合のムービーですが、AIカメラマンが副審のハゲ頭をサッカーボールと間違え続けたため、試合が台無しになっています」というツイートや……


「ICTFCは、ボールを自動追跡するようカメラをプログラムしたので、カメラマンを雇っていません。しかし、カメラがボールと副審の頭を間違え続けたので、コメンテーターは謝罪しなければなりませんでした……」といったツイートが投稿されていました。


The Vergeは、ハプニングの原因について「ICTFCとPixellotの両方にコメントを求めていますが、根本的な問題はわかりきっています。人間の頭はサッカーボールと同じくらいの大きさと形をしているので、日光に照らされるとAIは見間違えてしまいます」と指摘しました。

なお、肝心の試合は1対1で引き分けとなっています。

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in ソフトウェア,   動画, Posted by log1l_ks