メモ

エジプトでは下水処理水を利用して砂漠に緑を広げている


スエズ運河沿いにあるエジプトの都市・イスマイリア近郊には「Serapium Forest(セラピウム・フォレスト)」と呼ばれる200ヘクタール(2㎢)の森林があります。セラピウム・フォレストの最大の特徴は、イスマイリアの町の下水処理水が利用されている点で、この成功を受けてエジプトを含む21カ国による植樹プロジェクトが行われています。

How Egypt is growing forests in middle of the desert
https://www.al-monitor.com/pulse/originals/2020/10/egypt-africa-desert-forests-plant-trees-wastewater.html

SERAPIUM FOREST PLANTATION, ISMAILIA, EGYPT: SPATIAL ANALYSIS REPORT OF THE PLANTATION AREA FOR THE FOREST MANAGEMENT PLAN 2013-2022
(PDFファイル)http://www.fao.org/forestry/35800-094f4eedb0c86a4a33be1a3d906d80d3f.pdf

セラピウム・フォレストの場所はココ。イスマイリアの町の南西です。


ドキュメンタリー映像も公開されています。

وثائقى غابة سرابيوم فى الاسماعيلية التى تم زرعتها بستخدام مياه الصرف الصحى - YouTube


ドイツの公共放送局・DWがセラピウム・フォレストのことを報じた際の映像もあります。

Egypt: The Amazing Forest in the Desert | Global 3000 - YouTube


プロジェクトはエジプトの農業省により、1998年に始まりました。砂漠に照りつける太陽のエネルギーは、ドイツにおける太陽エネルギーの2倍に相当する、1㎡あたり約2200kWhと強力で、直射日光を浴び続ける限り「生きた土壌」にはなりません。


セラピウム・フォレストには、森林を形成する樹木により豊かにした土壌を守るという目的があります。また、マホガニーやクスノキなどを植林することにより、輸出産業や地元の木材産業の素材として、エジプトの恒久的な収入源になるというねらいもあります。

森林を育てるには水が必要ですが、セラピウム・フォレストでは、近くにあるイスマイリアの町で排出された下水処理水を利用しています。プロジェクトマネージャーのRagaei Saafan氏によると、セラピウム・フォレストでは、天候に恵まれたヨーロッパの森林と比べて樹木の生長が4倍も早く、ヨーロッパでは木の成熟に60年かかるところを、わずか15年で成熟するというペースで育つとのこと。

計画がうまくいったことで、西はセネガルから東はジブチまで、アフリカを東西に横断する21カ国による「グレート・グリーン・ウォール」と呼ばれる植樹プロジェクトが2019年からスタートしました。プロジェクトの進捗は2020年時点で15%ほど。完了するのは2030年末の見込みで、80億ドル(約8500億円)かけて、総面積1億ヘクタールの森林が生み出される予定です。

Great Green Wall — The Great Green Wall
https://www.greatgreenwall.org/about-great-green-wall

「グレート・グリーン・ウォール」プロジェクトのトレイラー映像はこんな感じです。

THE GREAT GREEN WALL TRAILER - YouTube

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in メモ,   動画, Posted by logc_nt

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