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中世ヨーロッパの巨大なアーチ橋はどのように作られたのか?


チェコ・プラハを流れるヴルタヴァ川にかかるカレル橋は、1357年に建設が開始されて1402年に完成した石作りの巨大なアーチ橋です。重機などが存在しない中世にどうやって巨大なアーチ橋を建設したのかをCGで解説したムービーが、YouTubeで公開されています。

Karlův most - Stavba pilíře a klenebního pole ve 14. století - YouTube


カレル橋は1402年の完成から1841年まで、プラハ旧市街とその周囲をつなぐ唯一の橋であり、交通にとって非常に重要な場所でした。カレル橋は何度も洪水などの被害に見舞われて損傷しましたが、そのたびに修復されており、記事作成時点も2019年から始まった約20年におよぶ修復工事の最中です。しかし、修復は橋の景観や通行を妨げない方法で行われているため、修復期間中も橋の上を人々が行き交っているとのこと。

by Dennis Jarvis

夜になるとライトアップされ、美しい光景は人々から強い人気を集めています。

by Yuan

カレル橋の橋脚はヴルタヴァ川の両岸だけではなく川の中にも作られており、非常に大がかりな工事が行われたことがうかがえます。

by Paul Asman and Jill Lenoble

カレル橋の詳細な建設計画や図面、使用された技術、動員された作業者の人数などの記録は残されていませんが、まずはヴルタヴァ川にいくつもの柱を建てるところから主な建設作業は始まったとみられています。


六角形に並べられた柱に沿って木材を渡し……


さらにその内側にも、一回り小さい構造物を作ります。


この上に滑車を利用して柱を打ち込むハンマーを設置し……


最初に並べた柱に沿って、深く打ち込んだ柱をぎっしりと並べていきます。


外側と内側に隙間なく柱を並べたら……


その内側に土を盛ります。これで、構造物の内側を外側の川から区切りました。


ここを起点にして、さらに外側にも足場となる部分を作ります。


次に、川の流れで動く水車を設置。


内側にたまった水をくみ出していきます。


水がくみ出された内部に土台を作り……


その上にぎっしりと石を並べ、内部も細かい石で埋めていきます。橋の建設に使われた砂岩はプラハ近郊で採掘されたものだったそうです。


外部の柱と土で作られた構造物を外すと、川の中央に石作りの土台が残されました。これが橋脚の基礎となる部分です。


続いて、岸からせり出した橋脚と川の中央に作られた基礎の間に木材を並べ……


木製の橋をかけました。


そこに、隙間なくぴっちりと切り出した石を並べ、内部も石で埋めていきます。


橋脚には大きな滑車が設置され……


船で輸送された石材を効率よく並べることができた模様。


橋脚がかなりの高さになったら……


外部に隙間なく石を並べると共に、内部に石を敷き詰めます。この時点で、人々や荷物が通行する橋の上部にも石が並べられます。


橋脚にもきれいに石が並べられ……


巨大なアーチ橋が完成しました。


このようにして作られたカレル橋は、21世紀になっても多くの人々に親しまれています。

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in 動画, Posted by log1h_ik

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