50万回以上再生されたクギを使わない日本建築の伝統技術「木組み」を受け継ぐ職人に迫るムービー
長い歴史を誇る日本の神社仏閣は、同じくらい長い歴史を誇る日本の職人の技術によって支えられています。クギを使わずに木材だけで建物を作る日本の伝統技術「木組み」だけでなく、その技術を受け継ぐ宮大工・松本髙広さんまで迫ったムービーをYouTubeチャンネル「Great Big Story」が公開しています。
In Japan, Repairing Buildings Without a Single Nail - YouTube
日本では1000年以上も前から木だけで建物を作ってきました。1000年前には鉄を扱う技術が未熟だったため、木で建物を作る技術が発展していきました。
木だけで建物を作るには、どうしても木を繋げたり接着する必要が出てきます。古代の日本人はパズルのような形に木を彫って……
ズッポリはめ込んで木材を1つに繋げる技術を生み出しました。このように、クギを使わずに木材を組み合わせて固定する日本の伝統技術が「木組み」です。
木組みを活用して建物を作る技術を受け継ぐのが松本髙広さんのような「宮大工」です。
松本髙広さんが取締役を務める「松本社寺建設」は現在も数多くの禅寺や神社が残る、神奈川県鎌倉市にあります。
宮大工は神社やお寺を建立したり、修復したりする仕事です。
宮大工は「継手」「組手」「仕口」という木組みの技術を使って加工された木材で建物を作ります。
木造建築はおよそ150年から200年ごとに修復する必要があります。
「木組みという技術は建造物の一部だけを取り外して修復することを想定しているのではないか」と松本さんは考えています。
松本さんはかつては大工でしたが、神社仏閣の建築法に興味を持つうちに、宮大工は通常の大工とは全く違う職業だと知ったとのこと。
宮大工には高度な技術が必要で、先人達が残した建造物から「先祖から受け継いだ技術」を学びます。
「私はどんなときにも神社に行ったりお寺に行ったりします」
「ですので、『神様や仏様に守られてるんだ』という気持ちと、『神様仏様に仕えてるんだ』という精神的な支えのようなものを持っており、それを誇りにしています」
「私たちの祖先は何をしてきたのか、何を伝えようとしていたのか、私たちはそこから学んでいくのです」という松本さんの言葉でムービーは締めくくられます。
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