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高知県の山奥でただ1人伝統を守り続ける鍛冶職人と伝統を受け継ぐ若い弟子を紹介するムービー


鉈(なた)や鎌などの農具・包丁を鍛造する「土佐打刃物」は、「土佐和紙」と並んで有名な高知県の伝統工芸品です。しかし、林野庁によると日本の林業従事者は年々減少しており、それにともなって土佐打刃物の鉈や鎌の需要も減りつつあります。そんな中、高知県で土佐打刃物の伝統を守り続ける鍛冶屋と、その鍛冶屋に弟子入りを志願した若者を、Great Big Storyがムービーで紹介しています。

The Ancient Art of Forging Japanese Knives - YouTube


土佐打刃物は江戸初期から伝わる伝統的な刃物で、刀などの武器ではなく、包丁や農具が主に作られてきました。


この立派な鉈も、土佐打刃物です。高知県で林業を営む人の多くが、土佐打刃物の鉈や鎌を愛用しているとのこと。


「日本最後の清流」と名高い四万十川が流れる、高知県高岡郡四万十町十川。


この十川にたった一軒だけ残る鍛冶屋「勝秀鍛冶屋」を営むのが松村幸作さんです。松村さんは、父親が作った鍛冶屋を継ぐ2代目で、50年以上も鍛冶職人として土佐打刃物を作り続けてきました。


「この地方ではもうほとんど(鍛冶屋が)なくなりました」と松村さんが語る通り、かつては四万十町に9軒はあったという鍛冶屋は、2018年現在では松村さんが営む「勝秀鍛冶屋」1軒のみ。松村さんは「(自分は)まだまだ続けると思う」と述べています。


鉄の塊を高温の炉から取り出し、熱いうちにたたいて伸ばします。


そして、たたき伸ばしては、グラインダーで鉄の形を整えることを繰り返します。


打刃物の表面にはトンカチでたたいた跡が凸凹と残っています。さらに時間をかけてじっくりと研いでいき……


丹念に砥石で磨き上げると、凸凹だった刃物の表面はすっかり滑らかに仕上がりました。


松村さんの作る鉈は、刃物だけではなく、柄や、刃物を収める鞘(さや)、柄に刃物を固定するための目釘(めくぎ)もすべて自分で作り上げたものを使っています。全国的に見てもそこまで手作りをする鍛冶屋は珍しいとのこと。


銘は刻印ではなく、松村さんが自分の手で刻んでいきます。1本の鉈を作り上げるのにかかる手間と労力は膨大なものですが、その分使い勝手や質は素晴らしく、松村さんの作る土佐打刃物は、全国からの注文が絶えないといわれています。


そんな松村さんの元に、1人の若者が弟子入りを志願してやってきました。四万十町で地域おこし協力隊として活動する菊池祐さんです。


菊池さんは松村さんの元で、土佐打刃物の鍛冶見習いとして修行しています。


もともと弟子を取らない方針だった松村さんは「もう弟子を教えられるような年齢ではない」という理由で弟子入りを断り続けていましたが、菊池さんが何度も弟子入り志願を頼み込んだため、松村さんは根負けして菊池さんを弟子に迎えたとのこと。


菊池さんによると、松村さんに弟子入りをお願いしたのは、技術だけではなく松村さんの考え方も学びたかったからとのこと。「インターネットの動画配信でさまざまなことを見ることはできますが、それだけで技能を習得できないのはやはり、考え方を知ることができないからだと思います」と菊池さんは語っています。


「伝統的なものというのはすごく技術が高くて、仕事としては大変難しいものだと思います。簡単な仕事よりも難しい仕事の方が、やりがいはあります。本気でやりたければ、挑戦した方がいいと思います」と菊池さんは語っています。

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