マッハ2.2で飛ぶ超音速旅客機のプロトタイプ「XB-1」発表
アメリカ・デンバーに拠点を置く航空機メーカー・Boom Technologyが、現地時間の2020年10月7日に超音速機である「XB-1」を公開しました。同社は既に、2026年に初飛行が予定されている超音速旅客機「Overture」の先行販売を開始しており、XB-1はそのプロトタイプにあたります。
Boom - XB-1
https://boomsupersonic.com/xb-1
'Supersonic travel is here': Boom rolls out XB-1 demonstrator aircraft | CNN Travel
https://edition.cnn.com/travel/article/boom-supersonic-rolls-out-xb-1-demonstrator-aircraft/index.html
Boomが10月7日にオンラインで開催した「XB-1」の発表会の様子は、以下から見ることができます。
XB-1 Supersonic Rollout - YouTube
これがXB-1の機体で、そばにいるのはBoomの創設者兼CEOであるBlake Scholl氏です。
XB-1の機体は全長71フィート(約21メートル)、翼幅は6.40メートルです。
最高速度はマッハ2.2で、ロンドンからニューヨークまでわずか3時間30分で飛ぶことが可能。
ゼネラル・エレクトリック(GE)が設計した3基のJ85-15エンジンは、1万2000ポンドの推力を誇ります。
カーボン複合材の機体は、超音速飛行による高温とストレスにさらされても、十分な強度と剛性を維持することが可能とのこと。
XB-1は、2026年に初飛行する予定の超音速旅客機Overtureのプロトタイプで、Overtureには日本航空(JAL)も出資しています。
XB-1から得られた知見によりOvertureが実現すれば、サンフランシスコから東京まで6時間で飛ぶことができるようになるとのこと。これは、現行の民間航空機の2倍の速さです。
Scholl氏は、「超音速旅行の実現は、長い間約束されてきたことです。過去の超音速機とXB-1の違いは、超音速旅行の実現に向けて必要な技術を全て搭載した独自設計の超音速ジェット機が、ここに存在しているということです。これは図面でもCGでもなく、人間が乗っても安全なように設計された飛行機なのです」と話しました。
Scholl氏はまた、今後の見通しについて「航空業界は新型コロナウイルス感染症によって深刻な被害を受けていますがいずれ空の旅は復活します。それには1年かかるかもしれないし、数年かかるかもしれませんが、その時が来れば航空会社は成長と差別化のチャンスを探すことになるでしょう」と述べて、パンデミックの打撃から業界が立ち直る際には超音速旅行が脚光を浴びるだろうとの見方を示しました。
Overtureは55〜75人乗りの旅客機になる予定で、計画が順調に進めば2029年にも商用フライトを開始する見込みとのことです。
・関連記事
コンコルドより速くてビジネスクラス程度の低価格で超音速を実現する旅客機「Boom」 - GIGAZINE
マッハ5で飛行するチタン製超音速旅客機の開発がスタート、実用化されれば大西洋を90分で横断可能 - GIGAZINE
北京-ニューヨーク間をわずか2時間で飛行する超音速機が開発中 - GIGAZINE
コンコルドを超える新たな超音速旅客機「Quesst」 - GIGAZINE
「怪鳥」コンコルドを2020年までに再び空へ飛び立たせるプロジェクトが進行中 - GIGAZINE
・関連コンテンツ
in 乗り物, 動画, Posted by log1l_ks
You can read the machine translated English article Announcing the prototype 'XB-1' of a sup….