世界初の飛行機死亡事故で亡くなったトーマス・セルフリッジ中尉とはどういう人物だったのか?

1903年12月17日、ウィルバー・ライトとオーヴィル・ライトの兄弟は世界で初めてとなる有人動力飛行に成功しました。アメリカ陸軍はライト兄弟が開発したライトフライヤーの購入を検討しており、基地でのデモンストレーションが行われましたが、その際に墜落事故が発生。同乗していたトーマス・セルフリッジ中尉が亡くなっています。
Thomas Selfridge: The First Airplane Fatality | Amusing Planet
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Aviation History: First Lt. Thomas Selfridge died during aerial mishap in Wright Military Flyer, but there's more to his legacy > Joint Base San Antonio > News
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トーマス・セルフリッジは1882年、カリフォルニア州サンフランシスコに生まれました。祖父は、19世紀半ばに行われた米墨戦争や南北戦争期の海軍提督、トーマス・オリバー・セルフリッジ。おじのトーマス・オリバー・セルフリッジ・ジュニアも海軍提督でした。
祖父らとは違い、セルフリッジは1903年にウェストポイント陸軍士官学校を卒業。成績は96人中31位で、このとき首席だったのが日本でもその名前をよく知られるダグラス・マッカーサーです。
卒業後、セルフリッジは中尉として砲兵隊に任官され、1906年に発生したサンフランシスコ大地震の際には救援活動に赴いています。
早いうちから航空学への興味を持っていたらしく、1907年にアメリカ陸軍が設置した「航空師団信号隊」に配属されて飛行船の操縦訓練を受けました。また、科学者で電話の発明者として知られるアレクサンダー・グラハム・ベルが創設した航空実験協会(AEA)の政府代表・書記長も担当しました。セルフリッジ中尉はとても熱心だったらしく、飛行デモンストレーションを計画していたベルはセオドア・ローズヴェルト大統領に対し、セルフリッジ中尉を公式監督官にするよう求めたそうです。
AEAで、セルフリッジ中尉はベルの作った四面体凧・シグネットに乗り、高度50mでの飛行を7分間行いました。
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AEAでは飛行機の設計も行っており、1号機「エアロドリーム No.1」(通称「レッドウィング」)での飛行こそAEAメンバーのフレデリック・ボールドウィンに譲りましたが、セルフリッジ中尉は1908年5月17日、2号機「エアロドリーム No.2(ホワイトウィング)」で高度3mを85m飛行しました。ボールドウィンはカナダ人なので、セルフリッジ中尉は「近代的航空機を単独で操縦した初のアメリカ軍人」だったということになります。
1908年9月17日、オーヴィル・ライトは陸軍関係者を対象にしてライトフライヤーの飛行デモを行うことになりました。このとき、ライトフライヤーに同乗したことについて「セルフリッジ中尉が立候補した」という説と「同僚の士官から促された」という説があるようです。
いずれにせよ、ライトフライヤーは2人を乗せてデモに挑み、離陸して少なくとも高度30mまで浮上。ぐるっと3周したのち、4周目の円の途中で木製プロペラに破損があって揺れはじめ、ワイヤーがプロペラを破壊してしまい急降下。多少は滑空したものの、機首から地面に激突して、2人は投げ出されてしまいました。
まだ防護用のヘルメットもなかった時代で、オーヴィルは肋骨や足の骨、股関節などを折る大ケガを負いました。セルフリッジ中尉は頭蓋骨を骨折しており、外科医が手術を行ったものの、意識を取りもどさないまま亡くなりました。
このあと、ライト兄弟は航空機を改修して、構造的弱点やプロペラの信頼性への対処を行い、1909年、陸軍はライト社と機体購入契約を結びました。なお、事故機のプロペラは回収され、オハイオ州にあるライトパターソン空軍基地内のアメリカ空軍博物館で見ることができるとのことです。
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