フィンランド首相が「週4日&1日6時間労働制」の具体的検討を指示
34歳というフィンランド史上最年少の若さで首相に就任したフィンランドのサンナ・マリン首相が、「労働時間の短縮」が自身が率いるフィンランド社会民主党の目標の1つであり、達成に向けて計画を前に進めるべきだという意向を示しました。
Social Democrats to continue pursuit of shorter working times, confirms Marin
https://www.helsinkitimes.fi/finland/finland-news/politics/18003-social-democrats-to-continue-pursuit-of-shorter-working-times-confirms-marin.html
Working time Business interest groups: Sanna Marini’s message about reducing working hours “totally wrong” – Pledge Times
https://pledgetimes.com/working-time-business-interest-groups-sanna-marinis-message-about-reducing-working-hours-totally-wrong/
Finland's PM Calls for Shortening Working Hours - The New York Times
https://www.nytimes.com/reuters/2020/08/24/world/europe/24reuters-finland-politics.html
2020年8月24日に開かれたフィンランド社会民主党の基調講演の中で、同党議長でもあるマリン首相は、「より短い労働時間とより良い労働条件を達成するための明確なビジョンと具体的なロードマップを作成する必要があります」と述べました。
地元紙のヘルシンキタイムズによると、マリン首相の講演の中で、労働時間の短縮に関する箇所は以下の通り。
「ここ数十年の間、労働に関する議論は他のテーマに焦点を当ててきたため、労働時間の短縮というアイデアは大騒ぎを引き起こしました。労働時間を短縮するという目標は後回しにできるものではなく、雇用率の向上や強固な公共経済の実現という私たちの目的と矛盾するものでもありません」
「富を公平に分配する方法の1つは、所得水準を損なわずに労働条件を改善し、労働時間を減らすことです。かつてフィンランドがフィンランド社会民主党の目標に沿って週5日、1日8時間労働制にシフトしたとき、賃金は崩壊に至らず、むしろ数十年にわたって改善傾向を示しました」
マリン首相は講演の中で、「労働時間を短縮することで生産性が向上し、雇用者が6時間労働に対して8時間労働分の賃金を支払っても問題ない」ことを示す研究結果を複数挙げたとのこと。マリン首相は就任以前から一貫して労働時間の短縮を目標として掲げており、就任時にも同様の発言を行っています。
「週4日&1日6時間労働」をフィンランドの新首相が計画中 - GIGAZINE
マリン首相の意向に対し、フィンランド産業連盟やフィンランド中央商工会議所などの団体は共同で非難声明を発表。「首相のメッセージは完全に間違っている」として、「フィンランドの借金は記録的なペースで増え続けており、新型コロナウイルスによる打撃によってフィンランド人の幸福を確保するという見通しは暗い。首相からのメッセージは非常に危険である。今こそ経済と雇用を改善することに注力しなければならない」と主張しました。
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