レビュー

異形の盤面が「毎ターン詰め将棋」な展開を生み出す「エクストリーム将棋」をプレイしてみた


エクストリーム将棋」は日本の古典的なボードゲームである将棋を独自にアレンジしたボードゲームです。将棋の重要な要素である「盤面」「駒」の2つに手を加えることで、ハラハラドキドキの超短期決戦なゲームになっているとのことなので、実際にプレイしてどんなゲームなのかを確かめてみました。

エクストリーム将棋(新版) / ボードゲーム通販「JELLY」
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これがエクストリーム将棋です。


エクストリーム将棋は、日本の古典的なボードゲームである将棋に、カードを引いて盤をつなげて駒を配置するという一風変わったアレンジを施したもの。


1プレイあたりの時間は15分で対象年齢は6歳以上、プレイ人数は2人。


同梱物は、カード、将棋駒、ライフマーカー、ついたて、将棋盤、説明書。


エクストリーム将棋の特徴は、「盤」と「駒」が通常の将棋とは異なるという点です。通常の本将棋は縦横9マスずつ計81マスの正方形の将棋盤を使いますが、エクストリーム将棋では以下のように、上手くいってないときのテトリスのような盤の断片を2つくっつけて……


通常の将棋では絶対にあり得ない形状の盤を作り上げて使います。


駒は通常の将棋と同じく、歩・金・銀・飛・角・桂・香・王・玉がありますが……


1回の試合で使える駒は、駒カードに書かれた5枚のみ。


その5枚は、歩・桂・銀・角・王というオーソドックスな組み合わせもあれば……


歩・香・香・香・王という、尖りまくった組み合わせの場合も。盤面と駒カード次第で展開が大きく変わるのがエクストリーム将棋の特徴です。


というわけで、実際にプレイしてみます。まずプレイヤーは同じ色のライフマーカーを3個取ります。


お互いに盤カードを引いて……


場に出して、2枚の盤カードを繋げます。


この盤カードと同じ形状になるように将棋盤を組み合わせて完成。この盤面でプレイします。


続いては駒カードを引いて……


お互いに駒カードを場に出して見せ合います。


駒カード次第で、飛・角の大駒なしでスタートすることも。今回、こちらの駒は、歩・香・桂・銀・玉、相手側は歩・桂・銀・角・王でした。


続いて駒を将棋盤に配置していきます。まずはついたてを用意。


足を取り付けて……


将棋盤の接続部分に沿うように立てます。


するとこんな感じで、お互いの盤面が見えなくなるので……


相手に見せないようにして、自分の駒を全て盤面に配置します。駒はどこに置いてもOKですが、駒の動き方は通常の将棋と同様で、王将が取られたら試合終了なので、将棋盤の形状や相手の駒などを考えながら配置するのがベター。


互いに配置終了後、ついたてを外して勝負開始。


ここからは通常の将棋と同様、先手から交互に駒を動かして相手の王将を取りに行きます。今回の盤面はこんな感じでした。


お互いに左側に重点的に駒を配置していますが……


右側はスカスカ。盤面の形状が特殊なので、双方の思惑の結果、かなり盤面に偏りが生じていました。


まずは1手目、こちらの銀を前に進めて、相手の銀将をゲット。


取った駒は、通常の将棋と同様に自分のターンで場に置くことができます。


相手の陣地に入った駒は、成ることが可能。銀を金に成りました。


次ターンは同桂で、相手が銀をゲット。


ならばと左側の歩を進めたところ……


以下のような感じで、開いた角道を角が進み、馬に成って王手。


王将は馬を取っても上側の香に取られ、どこに逃げても馬に取られるという、「詰み」状態になってゲームセット。爆速で1試合が終わりました。


詰み状態になるか、王将または玉将が取られたら、その回は終了。負けた側はライフマーカーを1枚裏返します。最初に3勝して、相手のライフマーカーを3つ全部裏返せたプレイヤーの勝利です。


エクストリーム将棋は盤の形状が運次第という点がポイントで、以下のように大きく片側に寄った形状をしているときもあります。


この盤でプレイしてみたところ、偶然にも開始時点から王手がかかっていました。


このケースでは、王は後ろに下がって引かざるを得ません。エクストリーム将棋では基本的に駒と駒が接した状態からスタートするので、相手側の駒を先に取ることができる先手側はかなり有利ですが、今回は初手から王手が掛かっていたので相手プレイヤーは一手無駄にして先手を譲ってしまう結果に。


盤の形状は、打ち方にも大きな影響を与えます。例えば以下の場面では、通常の将棋ならば王は後ろや右斜め後ろにも逃げられるはず。しかし今回はそのマスが欠けているため、逃げ道が断たれていました。


以下のように、超縦長な盤面かつ……


香が3枚来るケースも。


盤面をぶち抜くように3枚の香を配置できるため、初期状態から圧倒的。


相手プレイヤーは大駒の角を持っているものの、盤の形状が超縦長なので、角はほぼ動ける余地がありません。エクストリーム将棋では、通常の将棋よりも総じて角は使いにくい印象でした。


通常の将棋では終盤に訪れる詰め将棋の状況からスタートするため、序盤からかなりの緊張感を持って指すことができます。一方、将棋の駒は前方向に比べて後ろ方向への動き方が限定されているため、お互いが入玉してしまうと、50ターン近くもプレイが続くこともありました。


通常の将棋と違って動かす駒が少ないため、熟考すると詰まないようにゲームを進めることが可能です。毎ターン熟考すると1ターンあたりの時間がかかる上にターン自体も長くなってしまうため、「1分未満に1手指す」などの制限を設けたほうがハチャメチャな展開をテンポ良く楽しめる印象でした。


エクストリーム将棋は将棋をある程度知っている人を対象にしたゲームですが、「将棋のルールがわからない」という人には、説明書で駒の動き方などを確認することも可能なので、エクストリーム将棋から将棋を覚えるということもできます。


「エクストリーム将棋」は税別価格1980円で販売中。Amazon.co.jpでは、通常価格から23%オフの税込1670円で購入可能となっていました。

Amazon.co.jp: エクストリーム将棋: おもちゃ

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in レビュー,   ゲーム, Posted by darkhorse_log

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