サイエンス

飛ぶ鳥の中で最も重いコンドルは「1回も羽ばたかず」に170キロも飛行することができる


8羽の若いコンドルに追跡装置を取り付けて、飛行の様子を記録する研究により「コンドルは1回も羽ばたくことなく5時間滞空し、距離にして170キロメートルも飛行することが可能」だということが確かめられました。

Physical limits of flight performance in the heaviest soaring bird | PNAS
https://www.pnas.org/content/early/2020/07/09/1907360117

We tagged Andean condors to find out how huge birds fly without flapping
https://theconversation.com/we-tagged-andean-condors-to-find-out-how-huge-birds-fly-without-flapping-142472

These Giant Condors Can Fly For Hours Without Flapping Their Wings Even Once
https://www.sciencealert.com/giant-andean-condors-can-fly-for-five-hours-without-flapping-their-wings-even-once

南米に生息するコンドルは翼幅3メートル、体重は最大16キログラム近くに達する巨鳥で、雄大な翼を広げて弧を描くように飛ぶ姿は、アンデス山脈の象徴にもなっています。マックス・プランク動物行動研究所の研究者であるハンナ・ジェーン・ウィリアムズ氏らが2020年7月13日に発表した論文によると、コンドルは飛ぶことができる鳥としては最も重い鳥とのこと。


「非常に重いコンドルがなぜ悠然と飛ぶことができるのか?」を確かめるため、ウィリアムズ氏らの研究チームは鳥に装着可能なフライトレコーダーを独自に製作し、パタゴニア地方に住む8羽の若いコンドルの飛行時間や高度、羽ばたく回数などを記録しました。

コンドルに取り付けられたフライトレコーダーは、1週間前後で自然に外れて落下するようプログラムされていたため、研究チームは位置情報を頼りにレコーダーを回収しなければなりませんでした。研究の共著者で、アルゼンチンにあるコマウエ国立大学の生物学者であるSergio Lambertucci氏は「レコーダーがアンデス山脈のど真ん中にある、巨大な崖の上の巣に落ちていることもあったので、回収に3日かかったこともあります」と話しています。


こうして得られた合計200時間以上もの飛行記録を解析したところ、コンドルが羽ばたくことに費やす時間は飛んでいる時間のわずか1%程度で、離陸する時以外はほとんど羽ばたいていないことが判明。さらに、研究対象となった8羽のうち1羽は「1度も羽ばたかずに5時間以上滞空し、距離にして172キロメートルも飛行した」ことが確認されました。

以下のムービーを再生すると、実際にコンドルがほとんど羽ばたかずに空を飛んでいる様子を見ることができます。

Flight of the Condor - YouTube


渡り鳥として知られるコウノトリミサゴでも、飛行中の17~25%は羽ばたいているとされているのに比べると、飛行時間の1%しか羽ばたいていないコンドルの飛び方は非常に効率的といえます。

Lambertucci氏は、コンドルがこれほど効率的に飛べる理由について「彼らが旋回して飛んでいる時、彼らは熱上昇気流を利用しています。これは、餌となる死肉を探して山の周りを飛ぶ腐肉食動物には不可欠な能力です」と話しました。

実際に、飛行データの解析結果からは、コンドルが「風の強さや熱上昇気流の発生状況といった気象条件がそろわない航路を避けている」ことが示されています。ウィリアムズ氏は「不必要に着地すると、大量のエネルギーを投じて離陸しなければならないため、コンドルにとって着地する場所の選択は非常に重要だと考えられます」と述べました。

研究チームは論文の中で、「体重72キロ以上に達したとされる絶滅した鳥のアルゲンタヴィスは持続的に羽ばたくことができないので、ほぼ滑空して飛んでいたと推測されていますが、現存する大型の鳥でさえ飛ぶのに必要な羽ばたきの回数などについてはほとんど何も分かっていません。コンドルがどのようにして空にある目に見えない道を進んでいるのかを理解することで、アルゲンタヴィスが一体どうやってその体を宙に浮かせていたのかを解明することができるでしょう」と記しています。

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in サイエンス,   生き物, Posted by log1l_ks

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