ArmがIoT部門をソフトバンクに移管すると発表
ARMアーキテクチャで知られる半導体設計企業のArmが、モノのインターネット(IoT)部門の一部をソフトバンクグループに移管する計画を発表しました。Armは今後、主力である半導体事業に注力していくと述べています。
Arm intends to strengthen focus on core semiconductor IP – Arm
https://www.arm.com/company/news/2020/07/focus-on-core-semiconductor-ip-business
Arm proposes spinning off IoT businesses into new Softbank-owned entities | ZDNet
https://www.zdnet.com/article/arm-proposes-spinning-off-iot-businesses-into-new-softbank-owned-entities/
移管される予定なのは、ArmのIoTサービスグループ傘下の「IoT Platform」と「Treasure Data」の2部門。Armのサイモン・シガースCEOは、「ソフトバンクは急成長する初期段階のビジネスを管理してきた経験を有しており、IoT部門の価値を最大化させることが可能です。当社の主力事業のロードマップの革新に向けてより有利な立ち位置に付き、当社のパートナーに対してさまざまなコンピューターソリューションを拡大する機会の獲得を大きく支援できるでしょう」と述べました。
Armは、ARMベースのチップをこれまでに1650億個以上、2017年からの3年間では年間平均220億個出荷してきたと述べ、IoT、5G、AIの普及に伴ってコンピューティングの需要は高まっていると説明してます。
IoT部門の一部が移管された一方で、半導体設計のIP事業はArm本体に残ります。つまり、今後Armは半導体IP事業に専念するというわけです。実際、ArmのCPUアーキテクチャは近年さまざまな分野で活躍をみせています。たとえば、富士通製のARMベースCPU「A64FX」を15万基以上搭載した日本のスーパーコンピューター「富岳」は4つの世界ランキングで首位となりました。
日本のスーパーコンピューター「富岳」が4つの世界ランキングで1位を獲得 - GIGAZINE
またAppleは、Macに搭載するプロセッサを独自開発のARMベースプロセッサに移行する計画「Apple Silicon」を発表しています。
AppleがMacでも独自開発のプロセッサに移行する「Apple Silicon」を発表、iPhone&iPadのアプリがMacでも利用可能に - GIGAZINE
さらに、Amazonのクラウドコンピューティング事業・Amazon Web Servicesも、ARMベースで独自設計したプロセッサ「Graviton 2」を採用したと発表しました。
7nmプロセスで独自設計の次世代ARMプロセッサ「Graviton 2」をAmazon Web Servicesが発表 - GIGAZINE
IoTサービスグループの移管は理事会による再検討、慣例的な成約条件、現地スタッフの代表者との協議を経てから実行に移される予定。全てが順調にいった場合には、2020年9月末までに移管が完了するとのことです。
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