ハードウェア

Intelが1000億円越えのファンドを設立しオープンソースのRISC-Vに投資

by Michael Wyszomierski

Intelが、「ファウンドリのエコシステムのためのテクノロジーを開発するスタートアップ」を対象とした10億ドル(約1150億円)規模のファンドを立ち上げることを発表しました。これと同時にIntelはオープンソースのRISC-Vに対する投資についても発表しており、「クローズドソースのCISCを採用したx86で成功したIntelがオープンソースに協力している」と話題になっています。

Intel Launches $1 Billion Fund to Build a Foundry Innovation Ecosystem :: Intel Corporation (INTC)
https://www.intc.com/news-events/press-releases/detail/1525/intel-launches-1-billion-fund-to-build-a-foundry

Intel Corporation Makes Deep Investment in RISC-V Community to Accelerate Innovation in Open Computing - RISC-V International
https://riscv.org/whats-new/2022/02/intel-corporation-makes-deep-investment-in-risc-v-community-to-accelerate-innovation-in-open-computing/

Intel invests in open-source RISC-V processors, creates billion-dollar fund | ZDNet
https://www.zdnet.com/article/intel-invests-in-open-source-risc-v-processors-with-a-billion-dollars-in-new-chip-foundries/

新たなファンドはベンチャーキャピタルであるIntel Capitalと、 ファウンドリ事業部門のIntel Foundry Services(IFS)によって立ち上げられたもの。投資は知的財産・ソフトウェアツール・革新的なチップアーキテクチャ・高度なパッケージング技術など、半導体の市場投入を加速させるものに対して優先的に行われると説明されています。そして、投資の第1段階としてIntelは、RISC-Vの標準化団体であるRISC-V Internationalと提携し、戦略的投資を行うことを発表したわけです。


Intelは2021年に2兆円超を投じてファウンドリサービスの拡充を目指す「IDM 2.0」を発表しました。新たに設立されたファンドは、IDM 2.0の主要な柱であるIFSのエコシステムを強化することを目的としています。

Intelが2兆円超を投じてファウンドリサービスの拡充を目指す「IDM 2.0」を発表、「Apple Siliconの製造を目論んでいる」との指摘も - GIGAZINE


IDMの柱となる取り組みは以下の3つ。

1:大規模製造のためのIntelのグローバルな社内工場ネットワークの構築
2:サードパーティファウンドリ容量を拡大
3:世界クラスのファウンドリビジネスとして「Intel Foundry Services」を構築

IFSは世界的な半導体需要の高まりを受けて設立されました。IFSの命題はパッケージング工程テクノロジーを提供することのほか、命令セットアーキテクチャを含むさまざまな技術について知的財産の多様なポートフォリオを提供することとされています。

ファンドはRISC-Vのほか、ARM、x86といった命令セットアーキテクチャを活用する設計アプローチを支援するとのこと。これは、Intelが「半導体においてRISC-V・ARM・x86の3つが将来的に大きな役割を果たす」と考えていると言えます。特にIntelは、RISC-Vの知的財産やチップ提供についてはより大きな需要が見込めると見ているようです。

Intelのカスタマーソリューションエンジニアリング担当バイスプレジデントであるボブ・ブレナン氏は、「RISC-V Internationalのコミュニティに参加できることを嬉しく思います。RISC-Vの成長を加速させ、チップ設計者にその価値を存分に提供するためには、豊かなオープンソースソフトウェアとハードウェアのエコシステムの両方が重要です。Intelは自由でオープンなRISC-V命令セットアーキテクチャの成長を支援できることを嬉しく思います」とコメントしました。

また、RISC-Vの共同開発者の1人であるデイビッド・パターソン氏は「50年前、マイクロプロセッサの先駆者となったIntelが、RISC-V Internationalとなったことを嬉しく思います」と述べました。

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in ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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