Qualcommがスマートウォッチ向けプロセッサ「Snapdragon Wear 4100+」を発表
半導体メーカーのQualcommがスマートウォッチのバッテリー寿命を大幅に向上させパフォーマンスも改善させる新しいプロセッサ「Snapdragon Wear 4100+」と「Snapdragon Wear 4100」を2020年6月30日付で発表しました。
Snapdragon Wear 4100+ Platform | Qualcomm
https://www.qualcomm.com/products/snapdragon-wear-4100-plus-platform
Qualcomm Snapdragon Wear 4100 promises better performance and battery life on Wear OS smartwatches
https://www.xda-developers.com/qualcomm-snapdragon-4100-announcement-wear-os-smartwatches/
Qualcomm’s new Snapdragon 4100 promises faster Wear OS smartwatches - The Verge
https://www.theverge.com/2020/6/30/21307368/qualcomm-snapdragon-4100-google-wear-os-smartwatch-wearables-faster-battery-life
Qualcommは2018年に次世代スマートウォッチ向けチップセット「Snapdragon Wear 3100」を発表しましたが、Snapdragon Wear 3100はその前モデルであるSnapdragon Wear 2100からのマイナーチェンジであり、プロセッサ自体は同じでした。一方、新たに発表されたSnapdragonWear 4100+はプロセッサに大きな変更を加えることにより、これまでにない速さとパフォーマンスを実現しているとのこと。
フラッグシップモデルである「Snapdragon Wear 4100+」と前モデルとの大きな違いは製造プロセスルールが28nmから12nmになり、1.1GHzのCortex A7ではなく、1.7GHz・4コアのCortex-A53をベースとしている点で、これによりパフォーマンスを85%も高速化させているとQualcommは主張しています。また「Snapdragon Wear 4100+」はGPUにAdreno 504、LPDDR3メモリ(750MHz)、eMMC 4.5のストレージ、最大1600万画素のデュアルISP(Image Signal Processor)を搭載しています。
またこれまでとは違い、Qualcommは4100のラインに「Snapdragon Wear 4100+」と「Snapdragon Wear 4100」という2つのモデルを用意しています。「Snapdragon Wear 4100+」はメインチップの「SDM429w SoC」と、前モデルと共に登場した「QCC1110 Always-On Co-Processor(AON Co-Processor)」の最新版を搭載していますが、「AON Co-Processor」が不要だというデベロッパー向けには、「AON Co-Processor」非搭載の「Snapdragon Wear 4100」が提供される予定です。
CPUはパフォーマンスを85%改善、メモリも85%高速になり、GPUが2.5倍高速になったほか、最大16メガピクセルのカメラまでサポートできるようになりました。
「Snapdragon Wear 4100+」は「AON Co-Processor」を搭載することで最大6万4000色を扱えるようになり、健康のための心拍数モニタリングと睡眠、傾きを読み取っての高速な覚醒検知、歩数カウント、アラーム、タイマー、触覚機能を利用することが可能となり、スマートウォッチにさまざまな機能が搭載可能になる予定です。
既にQualcommはチップセットの出荷を開始しており、早ければ2020年7月中に開発者の手元に届く見込み。
記事作成時点でスマートウォッチ市場はSamsung GearやApple Watchに独占されている状態であり、Googleの開発するWear OSを搭載するスマートウィッチのシェアは大きくありません。一方、GoogleはフィットネストラッカーのFitbitの買収しており、新しいプロセッサの登場や買収により、今後、Wear OS搭載スマートウォッチの躍進も考えられます。
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