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全世界のスマホ出荷台数が2020年上半期で18%減少、2020年全体でも12%減少の見通し


調査会社のInternational Data Corporation(IDC)は、スマートフォンの世界的な出荷台数が2020年上半期で18%も落ち込んだことを報告し、2020年全体では12%近く減少するという予測を発表しました。出荷台数が大幅な減少をみせた理由として、IDCは「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による経済的打撃によって世界的に物流が混乱したため」と推測しています。

IDC Expects Worldwide Smartphone Shipments to Plummet 11.9% in 2020 Fueled by Ongoing COVID-19 Challenges
https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prUS46466720


IDCは、COVID-19のパンデミックによる経済的影響から、2020年上半期はスマートフォンの出荷台数が前年同期比で18.2%の減少をみせたと報告しています。また、2020年のスマートフォンの世界市場の出荷量はおよそ12億台で、前年比で約11.9%減少すると予測しました。


IDCは、2020年における出荷台数減少の予測は「2020年第1四半期に前年同期比で過去最大の出荷台数減少を記録したこと」によるものが大きいとしています。調査会社のガートナーは、2020年第1四半期にスマートフォンの出荷台数が3億台を割り込み、20%の減少をみせたと発表しました。

スマートフォンの2020年第1四半期販売台数は世界的に20%減であることを調査会社が報告 - GIGAZINE


IDCは「地理的な観点から見た場合、中国経済は引き続きCOVID-19の影響を受けますが、ロックダウンや物流の混乱が少しずつ緩和され、改善の兆しが見られます。工場は操業を再開し、旅行や物流も徐々に解禁されているので、中国のスマートフォン市場が受ける悪影響は大きくありません」と分析しています。それに対してヨーロッパ、特にイタリアやスペインなどCOVID-19の大きな影響を受けた国では、スマートフォンの出荷台数が大きく減少しているとのこと。


IDCの上級市場アナリストであるSangeetika Srivastava氏は「物流危機から始まった経済的影響が、需要側の問題に発展しました。全国的な封鎖と失業率の上昇によって、消費者は必需品への支出を優先し、そのことがスマートフォンの売り上げに直接影響しました」と分析。「明るいニュースとしては、5Gが触媒となって、2021年にはスマートフォンの世界市場が回復することが予想されます」と述べました。

IDCのWorldwide Mobile Device Trackerプログラム担当ヴァイス・プレジデントであるRyan Reith氏は「COVID-19が当初中国に与えた影響を考慮すると、中国の景気回復は控えめに言っても目覚ましいものです」と指摘し、「スマートフォン業界が課題を抱えていることで、景気後退がベンダーや価格帯の状況に何らかの変動をもたらすのは間違いないと私たちは考えています。PCやゲーム機など、スマートフォンよりもモバイル性の低いデバイスを中心とした消費者支出の急増が、スマートフォンのアップグレードや5Gに振り向けられていた消費者の財布のひもを握ることは間違いありません。そのため、パンデミック以前に予想されていたよりもさらに5G対応スマートフォンの価格が下がると考えています」と述べ、結果的にスマートフォン市場の成長につながるという見方を示しています。

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in モバイル, Posted by log1i_yk

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