レビュー

普通のカセットボンベで使える山善のインバーター発電機「EIGG-600D」レビュー、台風シーズンやアウトドアなど家庭でも活躍しそう


PCやスマートフォン、家電製品など、現代の私たちの生活は電力に大きく依存しています。しかし、電力は災害などによって「停電」してしまう可能性があるのも事実。山善のインバーター発電機「EIGG-600D」は、一般的な発電機が使用するガソリンではなく、コンビニなどで手に入るカセットボンベを燃料として採用することで、発電機維持のハードルを下げているとのこと。EIGG-600Dを借りることができたので、実際に使ってその性能を確かめてみました。

インバーター発電機 EIGG-600D | YAMAZEN BOOK
https://book.yamazen.co.jp/product/diy/others/EIGG-600D

カセットボンベ式インバーター発電機 5月下旬より新発売 | 株式会社山善
https://www.yamazen.co.jp/news/entry-1092.html

「EIGG-600D」の外箱はこんな感じ。


外箱を開けると、中には発電機本体が入っていました。サイズは幅47cm、奥行27cm、高さ39cmです。


付属品として、取扱説明書、プラスドライバー、直流バッテリー充電用コード、プラグレンチ、オイル用ノズルが同封されていました。


発電機の正面には、リコイルスターターと燃料コックがついています。


交流の定格出力は600VA。発電機としては小さめですが、小型化することで保管や車載に適した設計を行っているとのこと。


リコイルスターターと燃料コックがついていない側からはエンジンオイル給油などのメンテナンスが行えます。


天板のカセットボンベ収納カバーを押してみると……


カセットボンベの格納場所が姿を現しました。カセットボンベは2本セットすることができ、定格負荷で約1.5時間電力を使用可能。ボンベは必ず2本セットする必要があり、1本のみではガス漏れが発生する可能性があるとのこと。


ボタンを押してカセットボンベ固定カバーを開けると、白いボトルが入っていました。


入っていたのはエンジンオイル。使用前に給油しておく必要があるとのこと。


発電機のスイッチ、端子部分はこんな感じ。合計6Aの交流コンセントを2つ備えているほか、周波数切り替えスイッチ、アース端子など、一般的な発電機が搭載しているスイッチ、端子類は一通り備わっています。


発電機にしては珍しいのが「USB端子」を2つ備えている点。スマートフォンやモバイルバッテリーの充電を手軽に行うことができます。


また、EIGG-600Dは並列接続して使用することも可能。並列接続には別売のコードが必要です。


端子類がある面の逆側には、排気用のマフラーが取り付けられていました。


女性の編集部員にEIGG-600Dを持ってもらうとこんな感じ。重量は約14kgで、編集部員いわく「両手で持てば運べる」とのこと。


さっそくEIGG-600Dを使って発電してみます。初回始動時はエンジンオイルの給油を行う必要があるとのことなので……


まずはリコイルスターターと燃料コックがついていない方の面にあるネジを付属のドライバーで取り外します。


赤色のふたを取り外すと、発電機の内側にアクセスできるようになりました。


エンジンオイルの給油口はここ。ペットボトルのキャップのようにひねればキャップが外れます。


給油口のキャップがはずれたら、付属のオイル用ノズルを固定。


オイル用ノズルが固定できたら、付属のオイルを入れていきます。なお、エンジンオイルは粘度が10W-30もしくは10W-40のものを使用する必要があります。


オイルは180ml入れればOK。200ml分のオイルが付属しているので、少し余らせるくらいで適量です。


キャップを閉めて赤いふたを元に戻せば、発電機を使う準備は完了。


発電機とカセットボンベを持ってアースが取れる地面がある場所に移動しました。


漏電防止のため、アース棒を地面に打ち付けて……


発電機のアース端子にアース線を固定。


天板のカセットボンベ収納カバーを開け、カセットボンベをセットしていきます。


カセットボンベを2本セットしたら……


固定カバーをカチッと手応えがあるまで押し込み、カセットボンベを固定します。


カセットボンベ収納カバーを元に戻せばカセットボンベのセットは完了。


続いて発電機の起動準備に入っていきます。まずはエコモードスイッチをオフに切り替えておきます。


周波数を発電機に接続する機器にあわせて切り替えます。


燃料コックを回して「ON(開)」の状態にします。


燃料コック近くのリコイルスターターを……


エンジンがかかるまで何度か引っ張れば、エンジンが始動します。


「出力」のLEDが緑色に点灯していれば、エンジンが正常に始動しています。動作時の騒音値は約71dBで、これは環境省による(PDF)騒音の目安によると「在来鉄道の車内」と同じくらいの騒音です。


最後にエコモードスイッチをオンにすれば発電機を使用できる状態になります。なお、発電機に高負荷がかかる機器を接続する場合はエコモードスイッチをオフにする必要があるとのこと。


試しにノートPCのACアダプターを接続してみると、きちんとノートPCを充電することができました。


USBポートがついているので、ケーブルひとつでスマートフォンを充電することも可能。


ワットチェッカーで電圧を測ってみると、104.3Vと100Vよりも少し高いという結果に。


どのくらいの負荷に耐えられるのか試すため、定格消費電力が350Wの電動ジグソーを発電機につなげてみることに。


ワットチェッカーを発電機と電動ジグソー間に挟んで電圧を測ります。


電動ジグソーを動かすと、電圧が93V台にまで下がってしまいました。説明書をよく見ると、交流電源の使用可能範囲は「モーターや水銀灯など」の場合は約260Wまでとのこと。どんな機器でも600Wまで使用できると思っていましたが、瞬時に高負荷がかかるような機器で利用する場合は使用可能範囲が制限されるようです。


エコモードスイッチをオフにすると、電動ジグソーでも電圧の低下は限定的でした。


発電機のエンジンを停止するには、燃料コックを「OFF(閉)」に戻します。


エンジン停止直後のマフラーは高温になっているので、うっかり触らないように気を付ける必要があります。


なお、EIGG-600Dで直流電源を利用し、自動車のバッテリーなどを充電することも可能。その場合はエンジンを切った状態で直流サーキットブレーカーのボタンを押し込み、サーキットブレーカーをオンにして……


付属の直流バッテリー充電用コードを接続。


あとは先ほどと同じ手順でエンジンをかければOK。充電用コードのプラグ部分が接触すると、ショートする可能性があるので注意。


30日以上使用しない状態で発電機を保管する場合は、カセットボンベを取り外してエンジンを始動し、内部のガスを使い切るなどのメンテナンスが必要です。


ガソリンを使用する発電機の場合はガソリンが1年程度で腐敗してしまうため定期的なガソリン消費が必須ですが、カセットボンベの消費期限は約7年とガソリンに比べて大幅に長いので、メンテナンスの手間がかからないのがEIGG-600Dのメリット。高負荷がかかる機器の使用に弱点はあるものの、小型で持ち運びやすいサイズなので災害への備えのみならずアウトドアでも活躍しそうだと感じました。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
もしもの災害や停電に備えて「発電機」を実際に購入・維持してみてわかった注意点まとめ - GIGAZINE

アウトドアでもモバイル機器を充電できる水力発電機「Enomad-Uno」を使ってみた - GIGAZINE

大容量電流で車のジャンプスタートもスマホの充電もできるモバイルバッテリー「Anker Roav ジャンプスターター Pro」を使ってみた - GIGAZINE

スマホ40回・ノートPCを15回充電可能、超大容量120600mAhを持ち運べるポータブル電源「Anker PowerHouse」レビュー - GIGAZINE

in レビュー,   ハードウェア, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.