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YouTubeで中国共産党を批判するコメントが自動削除されていたことが判明


YouTubeで中国共産党を批判するコメントが即座に削除されていたと、複数のメディアが報じました。YouTubeはこの問題について「システムのエラーが原因」との声明を発表しました。

YouTube is deleting comments with two phrases that insult China’s Communist Party - The Verge
https://www.theverge.com/2020/5/26/21270290/youtube-deleting-comments-censorship-chinese-communist-party-ccp

YouTube auto-deletes comments with phrases critical of Chinese government [Updated] | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2020/05/youtube-auto-deletes-comments-with-phrases-critical-of-chinese-government/

YouTube says that an error caused comments critical of China’s government to auto-delete | TechCrunch
https://techcrunch.com/2020/05/26/youtube-china-comments-wumao-dang/

YouTubeで中国共産党を批判するコメントが自動削除されていることを最初に指摘したのは、中国出身の人権活動家ジェニファー・ゼン氏です。ゼン氏は2020年5月13日のツイートで「YouTubeで、中国共産党の指示で活動するゲリラを意味する『共匪(Gongfei)』とコメントすると、15秒で自動的に削除されてしまいます。3回試しましたが、全て同じ結果でした」と訴えました。

#YouTube "automatically" deletes a comment in Chinese, "Gongfei", which means "communist bandit", in 15 seconds.
This person tested 3 times, same result. #油管 15秒內自動刪除「共匪」留言,網友連試三次皆如此。
他們找了個比李飛飛更厲害的AI專家? pic.twitter.com/MLCeko0SIY

— Jennifer Zeng 曾錚 (@jenniferatntd)


ゼン氏がアップロードしたムービーは、画面全体にモザイクがかかっていますが、ニュース映像らしきYouTubeのムービーに「gong fei」と入力しているのがかろうじて分かります。


コメントが投稿されると、コメント欄の一番上に表示されますが……


少ししてから画面を更新すると、跡形もなく消えてしまいました。


また、VR機器メーカーOculusの創設者であるパーマー・ラッキー氏は、「YouTubeは、中国共産党のインターネットプロパガンダ部門である五毛(Wumao)に関する私のコメントをすべて削除しました。(YouTubeを運営している)Googleの一体誰が、中国からは見ることが不可能なアメリカのプラットフォームで、アメリカ人がアップロードしたムービーに投稿されたアメリカ人のコメントを検閲することにしたというのでしょうか?」と述べています。

YouTube has deleted every comment I ever made about the Wumao (五毛), an internet propaganda division of the Chinese Communist Party. Who at Google decided to censor American comments on American videos hosted in America by an American platform that is already banned in China?

— Palmer Luckey (@PalmerLuckey)


こうしたコメントの削除はいずれも1分以内と極めて迅速なほか、文脈を無視しており、「五毛は実にいい仕事をしている」といった肯定的なコメントも削除されたとのこと。YouTubeの広報担当者は、この問題を取り上げたThe Verge、Ars Technica、TechCrunchなどの複数のメディアに対し、「これは、当社の執行システムのエラーのようですが、目下調査中です」との声明を発表しました。


YouTubeはかねてからAIを用いたコンテンツの管理を行っており、これに対しては「資料価値のある戦争犯罪ムービーが暴力的なムービーとして削除された」「教育目的のムービーまで規制されている」といった問題がこれまで指摘されていました。

特に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が本格化した2020年3月から、Googleは一部を除く北米の全従業員の勤務態勢をリモートワークに切り替えており、これに伴ってYouTubeにおけるコンテンツ監視もAIを主軸としたものになっていることから、「間違ったポリシー違反の判断が増える」と予想されていました。

新型コロナウイルスの影響でYouTubeでは間違って「ポリシー違反」と判断される動画が増える可能性がある - GIGAZINE


The VergeはYouTubeでのコンテンツ削除について、「Googleはコンテンツの検閲を許すことで中国共産党の意向に従ってきたとして、たびたび批判にさらされてきました。特に、中国向け検閲付き検索サービスの開発に着手した『プロジェクト・ドラゴンフライ』は注目に値します。このプロジェクトは実現には至りませんでしたが、中国市場に参入するためにGoogleが長きにわたり続けてきた試行錯誤の1つでした」とコメントしました。

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in ネットサービス,   動画, Posted by log1l_ks

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