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自宅隔離中の子どもの幸福度を保つ方法とは?


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによって、世界各国で学校の閉鎖措置が執られています。自由に外出することが許されないという、これまでとは違う環境の中で子どもを健全に育てるため、教育学者が「自宅隔離中の子どもの幸福度を保つ方法」を解説しています。

4 good practices for anyone caring for quarantined kids
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Kids at home because of coronavirus? Here are 4 ways to keep them happy (without resorting to Netflix)
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◆日常のルーチンを確立する
COVID-19パンデミックの以前と以後では生活スタイルがガラッと異なるため、多くの子どもたちが不安を抱えています。それゆえ、家族の「毎日のルーチン」を確立して、1日をどう過ごすのかを互いに把握することが、子どもの安心につながるとのこと。2008年のイリノイ大学の研究では、ルーチンを守って規則正しい時間に夕食をとって就寝することが小児期のメンタルヘルスに良い影響を与えると示されています。


ただし、ルーチンを守る際に注意すべきこととして、「厳密にスケジュールを定めると不安を増大させる可能性がある」とウェイン州立大学教育心理学部のエリカ・ボックネク准教授は指摘。その対策として、「毎朝家族でミーティングを開催して、コミュニケーションを取りつつ、その日の行動予定を確認する」ことを推奨しました。ボックネク准教授によると、行動予定を確認すると、年長の子どもはやらなければならないことの優先順位が把握でき、年少の子どもは楽しみにしていることを忘れないようにできます。さらに、ミーティング時にコミュニケーションを取ること自体が幸福度に良い影響を与えるとのことです。

◆ルールを定める
1つ屋根の下で一緒に暮らす際には、ルールを守って生活することが重要です。自宅隔離で家にいる子どもに対する親の「家事をして欲しい」といった願いについて、ボックネク准教授は「学校で経験するような自立心、地域社会への義務感、社会的関与などを学ぶ良い機会です」と述べて、そういったルールの作成を推奨しました。ただし、ボックネク准教授は自身が2019年に発表した研究を挙げて、「ルールは合理的で予測可能なものであるべき」「どんな結果だろうと一貫してルールを守るべき」と警告しています。


◆積極的に交流する時間を作る
子どもは親の反応からさまざまなことを学びます。子どもと接する際に気をつけることに関して、「完璧な親である必要はありませんが、親が子どもに対して熱心ですぐに反応してくれるというのが、子どもにとって最高の状態です」とボックネク准教授はコメントして、子どもに意識を向けることが大事だと語りました。なお、1日中子どもをずっと見続けるというのは疲れるので、ボックネク准教授は、「子どもに対して熱心かつすぐに反応できる状態を維持するために、子どもと積極的に交流する時間を1日のうちに何度か取るべき」とアドバイスしています。

◆自分の家族だけの「特別なルーチン」を作ってみる
ボックネク准教授によると、自分の家族ならではの「特別なルーチン」を取り入れると、特別なグループに属しているかのような感覚を生み、家族の結束が強くなるとのこと。特別なルーチンによって家族の結束が強くなると、自分のアイデンティティーが肯定されるように感じられるため、精神的に健康になるそうです。

ボックネク准教授は、そういった特別なルーチンの例として、アメリカで一般的な毎週火曜日にタコスを食べるという「Taco Tuesdays」や、定期的に夜に映画を見ること、就寝前のお祈りなどを挙げています。


◆子どもの運動を手助けする
子どもにとって運動することは健康に良いだけでなく、精神にも良いことがわかっています。ウエスタンシドニー大学教育学部講師のエリン・マッケンジー氏とマッコーリー大学教育心理学部のペニー・ヴァン・バーゲン准教授は、自宅隔離中であっても子どもに運動をさせることを推奨。庭で遊んだり、体を動かして遊べるゲームをプレイしたりすることを勧めました。

マッケンジー氏らによると、小学校高学年の子どもは親と一緒に運動することを好む傾向があるため、親のサポートが運動意欲を改善するとのことです。

◆社会的つながりを保つソーシャルメディアなどの使い方に気を配る
自宅隔離によって実際に会う回数が減ってしまうと、友だち付き合いが失われてしまう可能性があります。入院のために友だちと会うことができない子どもを対象とした2016年のカルガリー大学の研究によると、ソーシャルメディアやゲーム、チャットを通して友だちと関わりを持つことが、友人感覚を保つことに重要とのこと。


ただし、マッケンジー氏らはインターネットにアクセスする若者はより不安が多いという調査結果について言及。不安がある場合には相談するように子どもに促すことを勧めています。

◆テレビやNetflixを見ること以外を勧める
子どもの興味を引き出すには、子ども自身が能動的に新しい物事に取り組むことが重要です。新しい物事に取り組む意欲を湧かせるために、テレビやNetflixの視聴といった「受動的に映像を見る」ことマッケンジー氏らはアドバイス。代わりに、パズルなどの「達成可能な課題」に親子で取り組んだり、料理・チェス・科学実験などを一緒にしたりすることを推奨しました。

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また、マッケンジー氏らは世界中の多くの美術館や動物園が開催している「バーチャルツアー」も子どもの興味を引き出し、学習にも役立つとオススメしています。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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