Googleがケーブルを触るだけで電子機器を操作できる「Eテキスタイル」を開発
電化製品などを手で操作するには、一般的にボタンを押したり、タッチパネルを操作したりする必要があります。しかし、Googleが新しく開発した「Eテキスタイル(E-Textile)」を使用すると、スピーカーやヘッドホンのケーブルをつまんで音楽を再生したり、ケーブルをねじって音量を調節したりといった簡単かつ直観的な操作が可能になります。
E-textile Microinteractions: Augmenting Twist with Flick, Slide and Grasp Gestures for Soft Electronics
https://dl.acm.org/doi/fullHtml/10.1145/3313831.3376236
Google AI Blog: Enabling E-Textile Microinteractions: Gestures and Light through Helical Structures
https://ai.googleblog.com/2020/05/enabling-e-textile-microinteractions.html
以下のムービーを再生すると、Eテキスタイルでスマートスピーカーを操作するのがどんな感じか一発で分かります。
E-Textile Microinteractions: Twist, Flick, Slide and Grasp Gestures for Soft Electronics - YouTube
ムービーが始まると、ケーブルが接続されたスマートスピーカーが映りました。手でケーブルをつまむと……
スピーカーからジャズが流れました。
さらに、ケーブルをつまんだ状態でねじると、音量が変わりました。
音楽の再生中につまむと一時停止します。もう一度つまむと音楽が再開されました。
スピーカーから伸びるケーブルを引っ張ると、再生中の音楽が別の曲に変わります。
次に、ケーブルを手のひらで軽くたたいてから……
ケーブルをねじると、音楽が早送りされました。
操作できるのはスピーカーだけではありません。PCモニターの前に垂らされたケーブルを左右にねじると、画面が上下にスクロールされました。
ケーブルをつまむと、マウスでクリックした時のようにリンクが開きました。
こうした操作は、ケーブルに折り込まれた8本のセンサーが指の接触やケーブルのねじれなどを検知することで実現しています。
入力できる操作は「ねじる」「フリック」「スライド」「つまむ」「握る」「軽くたたく」の6種類あります。
また、フリックだけでも方向や動作の速さによって4種類の操作が可能なので、実際に使い分けることができる操作方法は多種多様です。
操作の認識精度は平均で93.8%でしたが、Googleは「ユーザーは一般的に、より思い通りの結果となるよう操作を調整するので、差異は緩和されます」と述べて、慣れれば操作ミスは減らせると指摘しました。
実際に、ムービーではEテキスタイルでスムーズにテトリスをプレイしている様子も見ることができます。
Googleは既に「スマートフォンとヘッドホンを接続するEテキスタイルのUSBケーブル」「着用したまま音楽プレーヤーの操作ができるパーカーのひも」「スマートスピーカー操作用のケーブル」などのプロトタイプを開発しており、今後は間違って触った際の誤作動防止といった課題の修正をしていく予定とのことです。
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