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Appleにクラウドの専門家が続々と集結中、一体何が始まろうとしているのか?

by Marco Verch Professional Photographer and Speaker

Appleが、クラウドに精通した人材を競合他社から複数引き抜いていることが分かりました。この動きについてIT系ニュースサイトのProtocolは、「長年にわたりクラウド事業で遅れをとってきたAppleが、本格的な巻き返し乗り出したのではないか」と指摘しています。

Apple quietly hiring some of the world's best cloud talent - Protocol
https://www.protocol.com/apple-hires-cloud-open-source-engineers


Appleユーザーが無料で使用可能なクラウドストレージサービス「iCloud」はAppleの強みの1つですが、iCloudはサーバーなどの多くをGoogleAmazonに依存しており、2016年から進めている独自システムの構築も2020年時点では実現していません。

Protocolでクラウドコンピューティング関連のニュースを担当している上級レポーターTom Krazit氏も「Appleのクラウド事業はAmazon、Microsoft、Google、Facebook、Netflixなどに比べてはるかに遅れており、長いこと技術系コミュニティの間で周回遅れとの評価に甘んじてきました」と指摘しています。


しかし、Appleはここ数カ月の間に、これまで他社で目覚ましい働きを見せていたクラウド関連の人材を次々と引き抜いて採用しています。Krazit氏によると、既にコンテナ型仮想化ソフトウェアDockerのエンジニアであるMichael Crosby氏、AWSのオープンソース事業を率いていたArun Gupta氏、AWSでAWS Fargateなどのマネージドコンテナサービスに携わっていたMaksym Pavlenko氏、元Google社員のFrancesc Campoy氏らがAppleに入社していることのこと。

これについてKrazit氏は「Appleの考えは完全には明らかになっていませんが、多くの求人情報から、Appleが社内のソフトウェア開発チーム向けに新しいツールを開発中であることが分かります」と指摘しています。

Appleはこれまでも、Information Systems&Technology(IS&T)と呼ばれる社内エンジニアリングチームを結成し、さまざまな事業やサービスの開発に重用してきました。しかし、元IS&Tのメンバーだったスタッフは、「IS&Tのメンバーの大部分は競合する複数のコンサルティング会社が雇った派遣社員なので、部族主義的な縄張り争いで混乱に陥っています。その様相は、さながら毎日冷戦が勃発している悪夢のようです」と証言しており、実質的に機能不全に近い状態であることが判明しています。


そのため、Appleが人材を直接雇用する方針に切り替えたことで、同社が開発体制の見直しを進めていることが示唆されているとのこと。特にKrazit氏が注目しているのは、Appleが登用した人材には、OSの一部を隔離してそこでソフトウェアを動作させるコンテナ関連の技術者が多いことです。

また、Appleは2019年にもコンテナの運用管理などを目的としたオープンソースのシステムKubernetesの開発元として知られているCloud Native Computing Foundationに参加しています。さらに、Appleは100億ドル(約1兆739億円)規模のデータセンター建設計画にも着手しており、ハード面での強化も推し進めています。

Krazit氏は「コンテナ技術を採用すると、従来よりもはるかに迅速に開発体制を立ち上げたり縮小したりすることが可能です。Appleはこのほど、Cloud Native Computing Foundationに参加し、そのコミュニティの著名なメンバーを何人か登用しました」と指摘しています。

続けてKrazit氏は「スマートフォンやPCの市場が成熟するに伴い、Appleは収益の多くをサービスに頼るようになってきています。こうした流れの中でクラウド関連技術の人材を積極的に採用しているのは、Appleがサービスを縁の下で支えてきた技術と真剣に向き合うようになったからではないでしょうか」と述べて、Appleの方針転換に期待をのぞかせました。

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in ネットサービス, Posted by log1l_ks

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