Appleのクラウドサービス「iCloud」がGoogleのクラウドを利用していることが正式に明らかに
Appleが提供するクラウドストレージサービスの「iCloud」で取り扱うデータを、Googleのクラウドコンピューティングサービスである「Google Cloud Platform」のサーバー上に保存していることが、最新バージョンの(PDF)iOSセキュリティガイドから明らかになっています。
Apple confirms it uses Google cloud for iCloud
https://www.cnbc.com/2018/02/26/apple-confirms-it-uses-google-cloud-for-icloud.html
Apple confirms it now uses Google Cloud for iCloud services - The Verge
https://www.theverge.com/2018/2/26/17053496/apple-google-cloud-platform-icloud-confirmation
過去にも「AppleはGoogleのクラウドを利用している」と報じられたことがあるのですが、Appleはこれまでこの事実を公には認めていませんでした。
しかし、2018年1月に公開された最新バージョンのiOSセキュリティガイドの「iCloud」の項目には、確かに「暗号化されたファイルは、ユーザーを特定する情報なしで、Amazon S3やGoogle Cloud Platformといったサードパーティのストレージサービス上に保存される」と記されており、Appleが公式にGoogleのクラウドサービスを利用していることを認めた形となります。
AppleのiCloudでは、これまでAmazon Web ServicesとMicrosoft Azureが提供するリモートデータストレージシステムが利用されてきました。2017年3月に更新されたiOSセキュリティガイドでも、Google Cloud Platformの代わりにMicrosoft Azureの名前が記されています。AppleがMicrosoft AzureからGoogle Cloud Platformに乗り換えたという事実は、「Google Cloud PlatformがクラウドインフラストラクチャービジネスにおいてAmazonとMicrosoftに追いつくまで成長してきたという新鮮な証拠である」とCNBCは報じています。
過去にはAppleがクラウドサービスのバックエンドシステムをコードネーム「Pie」と呼ばれる内製の単一システムに移行する計画も報じられており、この計画ではGoogleやAmazonのクラウドサービスへの依存を減らして自前のシステムに切り替えていくことを目指しているとされていました。
AppleがAmazon・Microsoft・Googleに依存しているクラウドから脱却すべく独自のシステムを構築中 - GIGAZINE
なお、最新のセキュリティガイドには写真や動画以外のデータを保存するためにGoogle Cloud Platformが使用されているかどうかは明記されていません。AppleおよびGoogleはこの件についてコメントを控えています。
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