ハードウェア

AMDが次世代ノートPC向けCPU「AMD Ryzen PRO 4000」シリーズを発表、第1弾はLenovoのThinkPadに搭載


チップメーカーのAMDが、2020年5月7日にノートPC向けAPU「Ryzen PRO 4000」シリーズを発表しました。フルメモリ暗号化に対応した最新型のチップセットは、既にLenovoのThinkPadの最新モデルに採用されることが決まっています。

AMD Delivers Ultimate Performance and Work Anywhere Flexibility with AMD Ryzen PRO 4000 Series Mobile Processors | AMD
https://www.amd.com/en/press-releases/2020-05-07-amd-delivers-ultimate-performance-and-work-anywhere-flexibility-amd-ryzen

AMD Ryzen Pro 4000 Mobile CPUs Arrive With Double the Cores | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/news/amd-ryzen-pro-4000-mobile-cpus-laptops

AMD launches Ryzen Pro 4000 series to take on Intel’s vPro - The Verge
https://www.theverge.com/2020/5/7/21249346/amd-ryzen-pro-4000-business-processor-security-release

AMDが発表したRyzen PRO 4000シリーズのスペックが以下。ラインナップは8コア16スレッドでベースクロック1.7GHz/最大4.1GHzの「Ryzen 7 Pro 4750U」、6コア12スレッドでベースクロック2.1GHz/最大4GHzの「Ryzen 5 Pro 4650U」、4コア8スレッドでベースクロック2.5GHz/最大3.7GHzの「Ryzen 3 Pro 4450U」の3つ。モデル名の「U」は、消費電力の目安となるTDPが15Wで超薄型ノートPC向けのものであることを意味しています。


Ryzen PRO 4000シリーズ最大の特長は、セキュリティの高さです。チップにはMicrosoftが提唱している「Secured-core」技術が採用されているほか、物理メモリを完全に暗号化させる「AMD Memory Guard」もサポートしています。

また、スペックも大幅に強化されています。以下の棒グラフはAMD Ryzen 7 PRO 4750Uと2020年1月に発表された「Ryzen Mobile 4000」シリーズのAMD Ryzen 7 4700Uで、各種ベンチマークを実施した結果を比較したもの。実施したベンチマークは上からCinebenchBlenderによる3Dモデリングのベンチマーク結果、7-Zipによるファイル圧縮、HandBrakeによるビデオエンコーティング、Adobe Premiere Proによるビデオ編集の速度を比較したものです。5つの項目の全てでRyzen PRO 4000シリーズが優れていることが分かります。


また、ライバルであるIntel Coreシリーズに対しても優位性を示しています。以下は、AMD Ryzen 5 PRO 4650UとIntel Core i5-10210Uを比較した結果で、棒グラフは上からシングルスレッド、マルチスレッド、グラフィック性能を表しています。特にAMD Ryzen 5 PRO 4650Uのグラフィック性能はIntel Core i5-10210Uの2倍以上と、大きく水をあけていることが一目でわかります。


ほかにも、使用されていない間にコンポーネントの電源を落とす「アイドル検出」、必要に応じて素早くコンポーネントをブーストする「アクティビティ検出」などにより電力消費を大きく抑えることにも成功しており、PCのバッテリー寿命の大幅な伸長にも寄与するとのことです。

Lenovoは2月24日に、ThinkPadの2020年モデルとしてT14、T14s、L14、L15と小型モデルのX13を発表していますが、これらには「Ryzen PRO 4000」シリーズが搭載されるとのこと。いずれの機種も2020年6月中に発売される予定ですが、日本での発売スケジュールは未定です。

「Ryzen PRO 4000」シリーズを搭載したThinkPadの予定価格は、ThinkPad T14が849ドル(約9万円)から、T14sが1029ドル(約10万9000円)から、L14とL15がいずれも649ドル(約6万9000円)から、X13が849ドルとのことです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
AMDのZen 2採用APU「Ryzen 4000」シリーズのベンチマークが公開、モバイルでもIntelの脅威となるか? - GIGAZINE

AMDが約1万円の低価格ながらゲーミング向けの高コスパ4コア・8スレッドCPU「Ryzen 3 3100」「Ryzen 3 3300X」を発表 - GIGAZINE

AMDが第2世代「EPYC」に高クロックの新モデル「7Fx2」を追加、コアあたり性能は世界最高と主張 - GIGAZINE

ARMを採用した80コアのサーバー用プロセッサが元Intel社長による「Ampere」から登場、性能はAMDの第2世代「EPYC」に匹敵 - GIGAZINE

in ハードウェア, Posted by log1l_ks

You can read the machine translated English article here.