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AppleとGoogleの「新型コロナウイルス追跡システム」を実装したアプリでは位置情報の追跡を禁止


AppleとGoogleが共同開発している「新型コロナウイルス追跡システム」を実装した公衆衛生当局によるアプリのユーザーインターフェースがどんなものになるのかが公開され、それと同時にアプリでは「ユーザーの位置情報を追跡することを禁止」されることが明らかになりました。

Apple, Google ban use of location tracking in contact tracing apps - Reuters
https://www.reuters.com/article/us-health-coronavirus-usa-apps-idUSKBN22G28W

Apple and Google to prevent contact tracing apps from tracking your location - TechRepublic
https://www.techrepublic.com/article/apple-and-google-to-prevent-contact-tracing-apps-from-tracking-your-location/

2020年4月10日、AppleとGoogleはスマートフォンのBluetooth機能を用いた「新型コロナウイルスに感染した人と濃厚接触した可能性のある人を特定し警告するシステム」として、「新型コロナウイルス追跡システム」を発表しました。「新型コロナウイルス追跡システム」は、モバイルアプリに組み込んで使用するAPIがまず提供され、その後、iOSおよびAndroid自体に組み込まれることとなります。

AppleとGoogleが「新型コロナウイルス追跡システム」をiOSとAndroidに組み込む - GIGAZINE


「新型コロナウイルス追跡システム」の技術的詳細および、セキュリティおよびプライバシー面で抱く疑問については、以下の記事を読めば解決できるはず。

AppleとGoogleが共同発表した「新型コロナウイルス追跡システム」に対して浮かぶセキュリティおよびプライバシーに関する疑問への回答 - GIGAZINE


そして新たに、OSレベルで組み込まれることとなる「新型コロナウイルス追跡システム」を活用した公衆衛生当局によるアプリがどのような見た目になるかがわかるスクリーンショットが公開されました。なお、「新型コロナウイルス追跡システム」は公衆衛生当局のみが使用できるようになる計画です。

AppleとGoogleによる「新型コロナウイルス追跡システム」がOSにどんな風に組み込まれるかわかるスクリーンショットが公開 - GIGAZINE


AppleおよびGoogleは「新型コロナウイルス追跡システム」においてもユーザーのプライバシーを守ることを重視しており、政府機関がシステムを用いてユーザーのデータを収集することがないようにすることが重要だとしています。「新型コロナウイルス追跡システム」自体はBluetoothを用いてスマートフォン同士の接近情報を検出するため、GPSの位置情報は一切使用したり保存したりしません。

しかし、アメリカのいくつかの州が開発している新型コロナウイルス関連アプリでは、AppleとGoogleの「新型コロナウイルス追跡システム」と同時にスマートフォンのGPS機能を用いることで、ユーザーの位置情報を追跡する計画であることが明かされています。アプリ開発者は「位置情報を用いることで新型コロナウイルスのアウトブレイクの動きを追跡し、感染源を特定することが重要」と語っています。

これに対して、AppleおよびGoogleは「新型コロナウイルス追跡システム」を用いたアプリではGPSデータの収集を許可しないと発表しました。両社は「新型コロナウイルス追跡システム」を用いたアプリではBluetoothを使用するためバッテリー消費が激しく、少しでも節約するためにGPSなどの使用を禁止するとしています。


しかし、一部のアプリは独自のアプローチを進めるとしています。ユタ州の開発する新型コロナウイルス関連アプリの「Healthy Together」では、AppleとGoogleの「新型コロナウイルス追跡システム」なしで同じように機能するアプリを計画中とのこと。Healthy Togetherの開発を担当するソフトウェア開発企業のTwentyは、「AppleとGoogleのアプローチが我々のソリューションよりも効果的であり、現在および将来の公衆衛生パートナーの仕様を満たしているのであれば、新型コロナウイルス追跡システムを既存のアプリケーションに組み込む予定です」と語りました。

また、カナダのアルバータ州が開発する新型コロナウイルス関連アプリの「ABTraceTogether」は、GPSデータを収集しませんが、AppleとGoogleの新型コロナウイルス追跡システムを採用する計画はないとのことです。

なお、AppleとGoogleは新型コロナウイルス追跡システムを導入したアプリが断片化することを防ぎ、より幅広い公衆衛生当局アプリに同システムを採用してもらうため、同システムを使用したアプリは1つの国に1つだけとすることを明らかにしています。ただし、州または地域ごとのアプローチを推奨する国に対しては、地域ごとに新型コロナウイルス追跡システムの使用を許可する予定で、アメリカでは州ごとの使用が許可される予定です。

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in モバイル,   ソフトウェア, Posted by logu_ii

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