メモ

悪夢にうなされる毎日から脱却するための5つの方法とは?


夢の中で危険な目に遭ったり、恐ろしい怪物に追いかけられたりして、その恐怖心で目が覚めてしまい、眠れなくなってしまったという経験がある人は多いはず。何度も悪夢に苦しめられるという日々から見方法を、睡眠を専門に研究する心理学者のJade Wu氏が5つにまとめています。

5 Steps to Overcoming Nightmares | Savvy Psychologist
https://www.quickanddirtytips.com/health-fitness/mental-health/overcome-nightmares

世界各国の民間伝承において、悪夢は悪魔や不遇の死を遂げた人の魂の仕業、あらゆる悪の精神の表れなどとされています。「人がなぜ悪夢を見るのか」は科学的には解明されていませんが、レム睡眠中に起こる急激な精神活動の一端であることは判明しています。

Wu氏によれば、人口の約2~5%は頻繁に、あるいは毎晩悪夢を見るそうで、男性よりも女性の方が悪夢を見る傾向が強いとのこと。また、アルコール中毒や薬物中毒に苦しむ人、なんらかのPTSD(心的外傷後ストレス障害)を持つ人も悪夢をよく見るといわれています。また、毎晩繰り返し悪夢に苦しめられる「悪夢障害」と呼ばれる睡眠障害も存在します。悪夢障害を抱えると睡眠が妨げられ、日中に集中力が欠如したり疲労を覚えたりと、心身に大きなダメージを受けてしまいます。


Wu氏は、そんな悪夢を見ないための方法として、以下の5つを列挙しています。

◆1:規則正しい睡眠・起床スケジュールを心がける
悪夢を見てしまうと、「悪夢を見るのが怖いから」という理由でなかなか寝つけない人もいるはず。しかし、悪夢から逃げるために就寝を先延ばしにすると、夢を見るレム睡眠の時間が少なくなります。Wu氏によれば、レム睡眠の時間が短くなると、「(PDFファイル)レム睡眠リバウンド効果」によって次の日のレム睡眠が長くなり、結果として悪夢に苦しむ時間が長くなってしまうとのこと。

また、交代制の仕事をしたり、平日と週末の生活スタイルが大きく異なるなど、不規則なスケジュールで生活していても、同じようにレム睡眠が長くなって、悪夢を見る確率が上がってしまいます。そのため、たとえ寝るのが怖くても、就寝と起床は規則正しく行うべきだとWu氏は主張しています。


◆2:アルコールの摂取量を減らし、睡眠薬などの服用も医師と一緒に見直す
目がさえてしまい、早く寝つくためにお酒を飲んだり、睡眠薬を服用したりする人もいるはず。しかし、アルコールを摂取すると睡眠が妨げられて眠りが浅くなり、十分に脳を休めることができません。また、アルコールを過剰に摂取した場合は逆に、夢を見ずに深く熟睡するノンレム睡眠に突入しやすくなるため、レム睡眠の時間が少なくなりがち。そのため、レム睡眠リバウンド効果によって、レム睡眠が長くなり、悪夢を見やすくなってしまいます。

Wu氏は加えて、睡眠薬や抗うつ剤など、服用している薬を医師と一緒に見直し、薬の影響で悪夢を見てしまっていないかをチェックするべきと述べています。「薬の作用だけではなく、服用するタイミングも夢に影響を与えるため、飲んでいる薬が夜に服用してもよいかどうかを医師に確認してください」とWu氏は述べています。


◆3:完全に目を覚まし、すぐに現実を認識できるようにする
Wu氏によれば「悪夢から最初にすべきことは、すべての手段を尽くして完全に目を覚ますことです」とのこと。起床したらしっかり目を覚まさなければ、悪夢に逆戻りしてしまうかもしれません。目が覚めたら体を起こしてベッドから出て、水を飲み、パートナーやペットをハグします。完全に目を覚まして現実に戻るために必要なことを、また横になって目を閉じる前にやるべきだとWu氏は主張しています。

◆4:エンディングを書き直して新しい台本をリハーサルする
悪夢障害に対して行われる治療の1つに、「悪夢は脳にとって学習された行動であり、学習はやめることができる」という考え方に基づくイメージリハーサル療法(IRT)というものがあります。悪夢をよく見る人の脳は悪夢を生み出す習慣を身につけてしまっているため、悪夢を見れば見るほど悪夢を見やすくなるという悪循環に陥りやすく、IRTはその悪循環から抜け出すための治療法というわけです。

IRTは、何度も見る悪夢やよく夢に見るテーマを取り上げ、できるだけ具体的に書き出し、その内容から怖い要素を排除したものを起きている間に何度もイメージするという治療法です。Wu氏は「書き出した夢の内容を書き換えます。そしてそのイメージを何度も想像すれば、悪夢を見る頻度が下がり、恐怖心も減るかもしれません。夢はあなたの心の中にあり、あなたが心のボスなのです」と述べています。


◆5:PTSDおよびその他の精神衛生の問題の治療を受ける
睡眠の健康に気をつけるということは、健康全般に気をつけるということです。悪夢はPTSDなどが原因で起こることも多く、精神科での治療が成功すれば、悪夢を減らすことができます。それだけでなく、PTSDを治療することで日中も精神状態が安定し、不安が減り、より良い人間関係を築くことができます。また、悪夢の原因となるPTSDを直接治療するだけではなく、IRTなどを活用して悪夢の改善を優先するという考え方もあるとのこと。「PTSDが悪夢を生み出す」だけではなく、「悪夢によってPTSDの症状が悪化する」というケースもあり、「悪夢を減らすことでPTSDを改善することができるかもしれない」とWu氏は推測しています。

Wu氏は「日中も夜も自分を大切にしましょう。あなたの脳は常に一生懸命働いているので、夜はホラー映画を見る代わりにリラックスするために少し余分な助けを必要とすることがあります。悪夢は制御することができるということを覚えておいてください」と述べました。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
生まれつき短時間の睡眠で足りる「ショートスリーパー」の遺伝子が特定される - GIGAZINE

「睡眠の起源」は4億5000万年前までさかのぼることができるかもしれない - GIGAZINE

睡眠と夢は周囲の気温に大きく影響される - GIGAZINE

二度寝を防ぐ「スヌーズ機能」は本当に睡眠不足を解消してくれるのか? - GIGAZINE

質の高い睡眠がアルツハイマー病のリスク低減に役立つ可能性 - GIGAZINE

「悪夢」を避けるための方法とは? - GIGAZINE

明晰夢を過去最高の確率で見られる科学的な方法が判明 - GIGAZINE

in メモ, Posted by log1i_yk

You can read the machine translated English article here.