生き物

ネコが自由に町の中を歩き回れるようにスイスでは「ネコ用のはしご」が至る所に設置されている


日本の町中を歩いていると野良ネコや外飼いのネコに出会うことは珍しくなく、排水溝の中やブロック塀の上などを歩いている姿をよく見かけます。スイスの首都であるベルンでは町中の多くの建物に「ネコ用のはしご」が設置されており、ネコが自由に歩き回れるようになっています。

Swiss Cat Ladders: Documenting & Deconstructing Feline-Friendly Infrastructure - 99% Invisible
https://99percentinvisible.org/article/swiss-cat-ladders-documenting-deconstructing-feline-friendly-infrastructure/

ドイツの作家であるBrigitte Schuster氏は、スイスの町中で見られる「ネコ用のはしご」についてまとめた「Swiss Cat Ladders」の著者です。室内飼いのネコのためにキャットタワーを設置する飼い主は少なくありませんが、ベルンでは住宅やアパートなどの建物の周囲にネコ用のはしごが張り巡らされているとのこと。

たとえば以下の写真を見ると、建物のエントランスに突き出たひさしから上層階に向かい、ベランダ伝いにネコ用のはしごが斜めに設けられています。


以下の写真では住宅の窓に小さな出入口があり、そこからはしごを伝って下の屋根に移動可能になっている模様。


階段のようなはしごも。


さらに、くるくると回るらせん階段のようなネコ用のはしごなど、ネコ用のはしごはさまざまなバリエーションがあるそうです。


「はしご」とはあくまでSchuster氏が発見したネコ用の通路を単純に言い表したもので、取り付け方も建物の外壁に取り付けられたものだったり、ベランダから吊り下ろされたものだったりと、場合によってさまざまだとのこと。Schuster氏は町中で見つけたネコ用のはしごを調査し、分類しています。


ネコ用のはしごは通路から足場まで全てがネコ専用となっているものから、ベランダや郵便受け、庭木など既存のオブジェクトを利用したものもあります。また、アパートのベランダ伝いにネコ用のはしごを設けるには複数の住人が協力する必要があるため、建築と融合して公共の空間に設けられたネコ用のはしごは、コミュニティ全体の協力体制が整っていることも示しているとのこと。


ネコの行動について研究するDennis C. Turner氏は、ネコ用のはしごは実際に外で暮らすネコたちにとって有用なものだと指摘。ネコは高い場所から飛び降りても無事に着地できると思われがちですが、もちろん限界がある上に高所からのジャンプは足に負担がかかります。そのため、建物の周囲を巡るネコ用のはしごは、外で暮らすネコが移動する上で便利なものだそうです。


日本では野良ネコや放し飼いのネコをよく見るものの、アメリカでは多くの州でネコの放し飼いが禁止されています。また、オーストラリアでは「ネコが大量の野生動物を殺してしまい希少な動物たちが絶滅の危機に瀕している」との指摘もあり、野良ネコへの風当たりが強くなっている国も増えています。

ネコが大量の野生動物を殺してしまい希少な動物たちが絶滅の危機に瀕している - GIGAZINE

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in 生き物, Posted by log1h_ik

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