SNSで流行中の「頭蓋骨粉砕チャレンジ(Skull Breaker Challenge)」とは?
ショートムービープラットフォームのTikTok上で、相手をだましてスっ転ばせる「頭蓋骨粉砕チャレンジ(Skull Breaker Challenge)」が流行しています。いたずらを仕掛けられた人は、場合によっては無防備なまま頭から床に叩きつけられてしまうため、気絶したり重傷を負ったりすることもあるという、とても危険なもの。
「頭蓋骨粉砕チャレンジ」は、いたずらを仕掛ける側の2人が、いたずらを仕掛けられる相手を挟むようにして並んで立ちます。そして、真ん中の人物に小さくジャンプするよう促し、ジャンプした際に、着地前に足を払って転倒させるというもの。頭蓋骨粉砕チャレンジを仕掛けられた側は、空中でバランスを崩し、時には頭から床に叩きつけられるケースもあります。
頭蓋骨粉砕チャレンジがどんないたずらかは、以下のムービーを見れば一発でわかります。以下のムービーでは「安全に配慮して」雪の上で頭蓋骨粉砕チャレンジが行われています。
@barrypaardx3 Weg met de griet #skullbreakerchallenge #safetyfirst #weektegenpesten #pilsbar #viral #tiktok #funny #scheers
♬ Turn Down for What - DJ Snake, Lil Jon
いたずらは「#skullbreakerchallenge」というハッシュタグ付きでTikTokを中心に流行しているようで、複数のメディアが非常に危険なものであるとして注意喚起しています。アーカンソー州の地元メディアであるNorthwest Arkansas Newsは、「頭蓋骨粉砕チャレンジにより、10代の若者が重傷を負った」と報じています。
‘Skull Breaker Challenge’ leaves Arkansas teen with concussion
https://www.nwahomepage.com/around-arkansas/skull-breaker-challenge-leaves-arkansas-teen-with-concussion/
Northwest Arkansas Newsは息子が頭蓋骨粉砕チャレンジの被害にあったというキンバリー・ハーンさんにインタビューしており、キンバリーさんは「息子はそんな悪質ないたずらを受けるに値しないし、そもそもこんないたずらを受けるに値する子どもなんていません」と語っています。
いたずらの被害者であるケアビオンさんは、高校のジムで同級生カップルから「ジャンプするだけだ」と言われ、頭蓋骨粉砕チャレンジを仕掛けられたと語っています。この時、ケアビオンさんは自身が何を仕掛けられているのか全く理解していなかったとのこと。
ケアビオンさんは頭から床に叩きつけられ、運び込まれた病院で脳震盪と診断されたそうです。いたずらを仕掛けられた際のことについて、ケアビオンさんは「僕が覚えているのは、ただ床にいたということだけ」と語りました。なお、キンバリーさんによると、ケアビオンさんは数年前に脳の大きな腫瘍を除去する手術と化学療法を受けたそうで、「そんな息子にとってこのいたずらは危険すぎる」とも語っています。
キンバリーさんはケアビオンさんに頭蓋骨粉砕チャレンジを仕掛けたカップルを訴える予定であるとNorthwest Arkansas Newsに語っています。
ペンシルベニア州フィラデルフィアの地元メディアである6abc Action Newsは、「頭蓋骨粉砕チャレンジによりチェリーヒルの若者が死亡した」と報じています。
TikTok 'skull-breaker challenge' leave Cherry Hill, New Jersey teen with concussion | 6abc.com
https://6abc.com/5967196/
セントクリストファー病院の外傷外科医であるグリア・アーサー氏は、頭蓋骨粉砕チャレンジにより、手首を骨折したり、靱帯を損傷したり、脊椎や脳を損傷する可能性もあるとしています。さらに、「(頭蓋骨粉砕チャレンジを受けて)真っ先に頭を打った場合、頭蓋骨の骨折や血腫、さらには脳出血さえ起こり得ます」と、頭蓋骨粉砕チャレンジの危険性を指摘。
マーク・シェンカーさんの13歳の息子も頭蓋骨粉砕チャレンジの被害にあい、頭を強く打って脳震盪を起こしたそうです。シェンカーさんの息子はいまだに運動など一部の激しい動きを制限されているそうで、2020年の秋ごろまでに再び野球ができる状態にまで戻ることを期待しているとのこと。
テキサス州ヒューストンの地元メディアであるabc13 Newsも、頭蓋骨粉砕チャレンジの被害者をインタビューしています。
Dangerous TikTok 'skull-breaker challenge' causes child head injuries | abc13.com
https://abc13.com/5959067/
マサチューセッツ州ローレンスにある中学校に通うキャスリーン・デイエススさんは、頭蓋骨粉砕チャレンジの被害者となり、重度の脳震盪で2日間病院に入院することとなりました。キャスリーンさんはいたずらの被害を受けた際について、「手も足も感覚が何もなかった」「救急車が必要だと叫んでいました」「あぁ、なんてこった、このいたずらで私の人生は台無しになった」と考えていたそうです。
オレゴン州ポートランドでは、別の14歳の中学生が頭蓋骨粉砕チャレンジの犠牲となりました。被害者となったのはオリビア・ロスさんで、頭蓋骨粉砕チャレンジを受けて地面に頭を打ち付けた瞬間について、「一瞬停電したかのようでした。すぐに頭に痛みが走りました」と語っています。
なお、abc13 NewsがTikTokにコメントを求めたところ、「負傷につながる可能性のある危険な行為を助長するようなコンテンツは許可していません」という返答があったそうです。
なお、イタリア・シチリア州カターニア県マスカルチーアの赤十字社のTikTokアカウントは、「頭蓋骨粉砕チャレンジにより重傷を負ってしまった場合の対処方法」をレクチャーするムービーを公開しています。
@crimascalucia Stop! #skullbreakerchallenge #crocerossa #crocerossaitaliana #crimascalucia
♬ Rompe - HJM Mix - Dj Jad, Wlady, Jay Santos
・関連記事
なぜ10代の少年少女は中二病のような愚かなことをしてしまうのか? - GIGAZINE
コンドームを鼻からすすって口から出す「コンドームチャレンジ」が復活して流行中、当然ながら専門家は危険と警告 - GIGAZINE
洗剤を食べる「Tide Podチャレンジ」が少年少女の間で大流行、専門家が警鐘を鳴らす - GIGAZINE
友人や家族のパンツを食い込ませるイタズラ「ウェッジー」の写真いろいろ - GIGAZINE
・関連コンテンツ