サイエンス

2000年前の古代植物の種子を発芽させることに成功

by Leah Kelley

約2000年前の種子を発芽させてナツメヤシを育てることに研究者が成功しました。種子は古代中東の遺跡や洞窟などから採取されたものであり、この生育が成功したことで「人が種子の長期的な生存能力を理解していないという事実が明らかになった」と指摘されています。

Origins and insights into the historic Judean date palm based on genetic analysis of germinated ancient seeds and morphometric studies | Science Advances
https://advances.sciencemag.org/content/6/6/eaax0384

Dead Sea dates grown from 2000-year-old seeds | Science | AAAS
https://www.sciencemag.org/news/2020/02/dead-sea-dates-grown-2000-year-old-seeds

A Long-Lost Legendary Roman Fruit Tree Has Been Grown From 2,000-Year-Old Seeds
https://www.sciencealert.com/scientists-have-grown-date-palms-from-2-000-year-old-seeds

研究を発表したのはハダッサメディカルセンターの民族植物学者であるSarah Sallon氏らによる研究チーム。研究者らはイスラエル東部の死海西岸近くにある世界遺産のマサダや、死海近くで貯蔵庫や居住場所として使われていた洞窟から採取された何百もの種を分類し、最も発芽の可能性が高いと考えられた種子34個をお湯と液体肥料に漬けたあと、無菌状態の鉢植え用土壌に植えました。すると、34種子のうち6つの種子が発芽し、最終的にナツメヤシとして育ったとのこと。


発芽に成功した種子は全て数センチの大きさで、現代のナツメヤシの種子より30%ほど大きかったそうです。これはつまり、当時のデーツ(ナツメヤシの実)は現代の実よりもかなり大きかったことを意味します。


発掘された種子が本当に2000年前のものだったのか?という点は気になるところですが、研究者は種子が発芽した後に種の殻の破片に対して放射性炭素年代測定を行っています。この結果、種子が2200~1800年前のものだということが示されたと研究者は発表しています。

論文の共著者である生物学者のFrédérique Aberlenc氏によると、研究チームは今回生育に成功したナツメヤシを使った受粉を将来的に考えているとのこと。これは、古代のナツメヤシそのものを復活させるというよりは、その長所を取り入れて現代種を改良していくという試みのようです。


また、今回の研究は、何世紀にもわたって種子がどうやってDNAを保存できるのかという謎を解くカギにもなるとみられています。通常であれば時間の経過とともにDNAやRNAは断片化してしまうものであり、「種子が発芽するにはDNAが無傷である必要があり、今回の研究結果はDNA保存についての私たちの知識に反している」と述べる研究者も存在します。研究者がまだ知らない生物学上のシステムの存在が示唆されているわけです。

研究を行ったSallon氏は、種子の保存には、発見された場所の標高、気温、湿度などが種子の寿命に影響した可能性があるとみています。また、種子が現代のものより大きかったことで、遺伝物質が多く、全体として多くの遺伝物質が残った可能性も示唆されています。

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in サイエンス,   生き物, Posted by logq_fa

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