ハエたたきでひっぱたいても死なないロボットハエが開発される
柔らかな素材と人工筋肉を搭載したハエ型ロボット「DEAnsect」を、スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)のIntegrated Actuators Laboratoryの研究チームが開発しました。このDEAnsectはハエたたきで思い切りひっぱたいてもつぶれないほど柔軟にできており、昆虫型ロボットとしてさまざまな活躍が期待されています。
An autonomous untethered fast soft robotic insect driven by low-voltage dielectric elastomer actuators | Science Robotics
https://robotics.sciencemag.org/content/4/37/eaaz6451
A soft robotic insect that survives being flattened by a fly swatter - EPFL
https://actu.epfl.ch/news/a-soft-robotic-insect-that-survives-being-flattene/
以下のムービーでは、実際にDEAnsectをハエたたきでひっぱたくところを見ることができます。
A soft robotic insect that survives being flattened by a fly swatter - YouTube
方眼紙の上をはいつくばっているのがDEAnsectです。
ハエたたきがにゅっと出てきて……
バシィ!
しかし、DEAnsectにつながれているワイヤーを引っ張ると……
再びDEAnsectが動き始めました。
DEAnsectの重量はおよそ0.2グラムで、柔らかい素材でできています。
DEAnsectには目の代わりになるフォトダイオードが搭載されているため、白黒を判別でき、床の上に描かれた線をたどって秒速およそ3cmというスピードで動くことができます。
また、マイコン基板とバッテリーを搭載した、完全ワイヤレスで自律動作が可能なバージョンも存在します。DEAnsect自体が非常に低い電圧で動作できるため、バッテリーも極めて小型のもので十分だというわけです。
DEAnsectを上から見るとこんな感じ。右側が頭で、前足1本と後ろ足2本の3足構造です。
足は、2つの電極に挟まれたエラストマー膜で構成された人工筋肉によって、毎秒450回往復で動かすことが可能。電圧がかかると電極が引き合って膜が圧縮し、電圧がオフになると元の形状に戻るという仕組みになっています。開発者によれば、DEAnsectは平面を前後左右に動くだけではなく、起伏のある地形を登ったり降りたりすることもできるとのこと。
ハーバート・シア氏は「将来的には双方向通信機能も搭載し、複数のDEAnsectを連携させて群れとして動かすことも考えています」とコメント。DEAnsectはロボットミツバチとして花の受粉を行ったり、被災地を調査するデバイスとして活躍したりと、人間には難しい作業が期待されています。
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