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人類を再び月面に送る「アルテミス計画」の詳細をNASAがムービーで解説


アメリカ航空宇宙局(NASA)は2024年までに再び月面に人類を送る「アルテミス計画」を構想しています。このアルテミス計画ではいかにして月面を目指すのかについて、NASAが公式YouTubeチャンネル上で解説しています。

How We Are Going to the Moon - 4K - YouTube


NASAは1968年から1972年にかけて、9度にわたって有人宇宙飛行での月探査ミッションを実施しました。


これらのミッションの結果、アポロ計画では12人の男性を月面に送り出すことに成功しています。


そして、NASAは2019年5月になって新たな月探査ミッションの「アルテミス計画」を発表しました。このミッションではただ月面に人を送るというだけでなく、月とその周囲に長期にわたり人間を滞在させられるようにすることで、火星の探査ミッションへの準備を行うための任務でもあるそうです。


つまり、アルテミス計画は火星で有人ミッションを行うための予行演習を月で行うようなものです。


アルテミス計画は、宇宙探査における最も重要な要素である「宇宙飛行士」を念頭に置き、設計・テストされた計画です。


宇宙飛行士を送り込むための宇宙船にはオリオンが利用されています。オリオンは3つのモジュールで構成されており、宇宙飛行士たちが乗り込むことになるのは「クルーモジュール」で、最大4人まで収容可能。


クルーモジュールの天面には別モジュールと接続するためのドッキングポート、底面には熱を遮断するためのヒートシールドが搭載されています。


クルーモジュールの下には「サービスモジュール」。サービスモジュールは乗組員の生命維持装置および独自のエンジンと燃料を積み込んでいます。


そして、クルーモジュールの上部には「射出モジュール」が取り付けられており、これがクルーモジュールを安全に引っ張る役割を担います。ところまで素早く安全に射出します。なお、射出モジュールには3つの固体ロケットエンジンが搭載される予定です。


このほか、貨物倉(Cargo Hold)・Exploration Upper Stage(EUS)……


Core Stage、さらに2つの固体補助ロケットブースターを合わせて……


大型打ち上げロケットのスペース・ローンチ・システム(SLS)となります。NASAはSLSについて「世界で最も強力なロケットになる」と説明。


このSLSは、さまざまな点でアポロ計画で使用されたロケット・サターンVよりも優れているとのこと。


発射台に設置され、燃料も供給された状態のSLSの総重量は600万ポンド(約2700トン)となります。なお、そのうちの520万ポンド(約2360トン)が燃料となり、各燃料の内訳は以下の通りです。


そんなSLSでは、最初に4つのRS-25エンジンと2つの固体補助ロケットブースターが点火。


エンジンに点火してから2分が経過すると、射出モジュールの燃料が尽き、SLSから切り離されます。


さらに点火から8分が経過すると、ロケットのCore Stage部分に積み込まれた燃料が消費し尽くされ、Core Stageも分離。


Core Stageが分離すると、EUSが短時間だけ点火され、オリオンが地球の周回軌道上に乗ります。


このタイミングで乗組員がオリオンを点検し、システムが宇宙を旅する準備ができているかどうかを確認して、ミッションコントロールからゴーサインが出たら、EUSのエンジンを再点火。そして地球の周回軌道上からオリオンが離脱を図ります。なお、周回軌道上からの離脱のタイミングによりオリオンの速度が変化するため、エンジン再点火のタイミングは非常に重要とのこと。


地球の周回軌道上から離れて数日が経過したのち、EUSエンジンの燃焼が終了。ここで、EUSを分離。


月に近づくと、アルテミス計画とアポロ計画の根本的な違いがより明確になっていきます。

アポロ計画では宇宙船を「月面コマンドモジュール」もしくは「月面着陸機を輸送するため」に使用しました。


しかし、アルテミス計画では全く異なるアプローチが取られています。なぜなら、月面ミッションに必要なあらゆるもの(月面ローバーや科学実験用の設備など)は、既に商業パートナーおよび国際パートナーによって事前に月周辺に用意されているから。


そして、月面ミッションに用いられる設備の中には、月軌道上に建設予定の月軌道プラットフォームゲートウェイも含まれます。月軌道プラットフォームゲートウェイでは堅牢な月着陸船を事前に準備しており、強力な通信を確立するためにも活用されるとのこと。


なお、月軌道プラットフォームゲートウェイはオープンスタンダードで設計されているため、新しいミッションやパートナーシップにより自由に拡張していくことが可能です。


また、月軌道プラットフォームゲートウェイは軌道を調整することも可能。これはアポロ計画では実現不可能でした。


月軌道プラットフォームゲートウェイの軌道を調整することができる本当の目的は、同宇宙ステーションを月のハロー軌道に乗せるためです。宇宙探査は商業的にも広がりを見せているため、ハロー軌道に月軌道プラットフォームゲートウェイを配置することができれば、月軌道プラットフォームゲートウェイは地球とその先に存在するあらゆるものとの「理想的なハブにすることができる」とNASAは語っています。


オリオンが月軌道プラットフォームゲートウェイの近くまでやってきたタイミングで、オリオンは月のハロー軌道に乗る必要があります。


そして月軌道プラットフォームゲートウェイとドッキング。


オリオンに乗ってきた宇宙飛行士たちは月着陸船に乗り込み、オリオンはそのまま月軌道プラットフォームゲートウェイで待機ということになります。


月着陸船はまずハロー軌道から月へと降下していきます。


月の低軌道まで移動したら、月着陸船は月面へと一気に降下。


これで月面についに到着。


月から地球へ戻る道程は以下の通り。まずは月着陸船から月軌道プラットフォームゲートウェイへ。宇宙飛行士は月軌道プラットフォームゲートウェイでオリオンに乗り込み、ハロー軌道から離れ、月の重力を用いて加速し地球を目指します。


地球まで間近となると、サービスモジュールからクルーモジュールが分離。


クルーモジュールは時速2万5000マイル(約時速4万km)で地球の大気圏に突入。空気の摩擦によりクルーモジュールは減速します。この時、クルーモジュールの表面温度は5000度まで上昇すると予測されています。


時速300マイル(約時速480km)まで減速したところでパラシュートが展開。


なお、パラシュートによりクルーモジュールは海面に着水するまでに時速20マイル(約時速32km)まで減速します。


これで地球から月までの往復の行程は終了です。

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in 乗り物,   動画, Posted by logu_ii

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